ーー原料になる食品はどのようにして集めている?
食品関連企業や農園より買い取っています。
食品だけでなくファッション産業での問題
ーーどんな生地にも染められるの?
天然素材を中心に展開していますが、リサイクルポリエステルなど合繊素材の染色も可能です。残渣(残りかす)が出てくる企業様のユニフォームや資材などに使用され始めています。
トレンドの移り変わりの激しいファッション産業では、発生してしまう売れ残りなどを廃棄処分してしまう現状がある。そして、そういったアパレル製品の多くには化学染料が使用されており、地球や自然環境に大きな負荷を与えてしまっているという。それは食品業界でも同様で、食べ残しや規格外を理由にした廃棄など、食品ロスの大きな課題を抱えている。
そういった経済中心の社会システムの弊害に対し、「何かできることはないだろうか?」という思いから「FOOD TEXTILE」は誕生した。
染料を作り出すのには、食品の残りかすの抽出試験や染料として使用できるかのテストを幾度も繰り返したそう。さらには、赤色のイメージのトマトだが抽出した染料は黄色であったりと、試行錯誤して出た色も人が感じる食品のイメージと違うこともあった。それをどのようにして消費者に理解してもらい商品にするのかといったことに苦労したという。
ーー最後に、「FOOD TEXTILE」の今後の展開を教えて。
インテリア分野(カーテン、椅子張り)、海外販売、企業ユニフォームや特別な商品など今まで行っていることの深耕。染料や顔料を使用してインクなどへの転用を考えています。
2月22日に販売した「ハンカチ」は、FOOD TEXTILEの持つ優しい色合いがより伝わるように、あえて刺繍などは加えずに作っているという。
ブルーミング中西の担当者は「ハンカチは洗って繰り返し使うことができる、エコなアイテムです。ハンカチという身近なアイテムで気軽にエコを楽しみながら、ハンカチの魅力をお伝えすることができればと思っております」と話している。
誰しもが関わりのある「食品ロス」という問題を、こうした商品を持つことで、改めて“考えるきっかけ”にもなるかもしれない。