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母の恋人との暮らしは、負の感情で爆発しそうだった
ーーその後、お母さんはお父さんの後輩と付き合い始めます。鈴村さんも、その恋人と一緒に暮らすことになるんですね。
鈴村 母の恋人からは、「厳しい」の一言では言い表せないほどきつく当たられましたね。当時はフローリングの床に座って食事をしていたんですが、母がいないときは決まって座布団なしで正座をさせられました。そして姿勢が悪いと怒鳴られて、物差しを背中に挿されたんです。
他の人からは、ただのしつけだと思われるかもしれませんが、相手は母の恋人という、私たちにとっては親しみのない大人の男性。毎日がつらかったです。でも、母はその人のことが好きだと言うし、生活を受け入れるしかありませんでした。
――お母さんに相談しなかったんですか?
鈴村 言っても無駄でした。「こんなことをされた」と訴えても、「お前らがいうことを聞かないからだ」で済まされて。
当時の私は、「なんで母の彼氏にこんなことを言われなきゃならないんだ」って負の感情を爆発しそうなほど抱えていました。感情を抑えるために、「これは母を支えるためだ」とよく自分に言い聞かせていましたね。その様は、まるで天使と悪魔が言い合っているみたいでした。
漫画ではそういう状況を思い出して、イマジナリーフレンドのような幼い私を登場させています。
鈴村 五月/インスタグラムで投稿した漫画「最強の母が毒親になった日」をきっかけにデビュー。自分の過去と日常を、「私の生き恥が誰かのお薬になりますように」をコンセプトにエッセイ漫画にする。