今年4月から施行されるある法律を巡ってネット上では喧々囂々の議論が巻き起こっている。その法律の正体は「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」通称プラスチック資源循環促進法だ。
小泉進次郎環境大臣時代の「プラスチック資源循環促進法」
この法律は昨年、小泉進次郎環境大臣の時代に打ち出されたもので、スーパーやコンビニなどでのレジ袋有料化に加えて、ホテルや旅館に置かれている歯ブラシやかみそりなどのアメニティ類に関しても、撤去されたり有料化されるのではないかという憶測が飛び交っている。
法律では具体的に特定プラスチック使用製品として12品目を取り上げているが、そのうちヘアブラシ、くし、かみそり、シャワーキャップ、歯ブラシの5品目が宿泊業を対象とした製品とされている。こうした製品を年間5トン以上取り扱う事業者に対しては、代替品や再生品への切り替えなど、使用量の削減に関して対策を求めるというのが法律の趣旨である。
4月以降、ホテルや旅館から歯ブラシやくしが消える?
レジ袋の有料化は、地球環境保護という観点からは誰しもが反対しづらく、それでいてエコバッグのような手提げ袋を常時携行する習慣がこれまでなかったことから、消費者の多くはスーパーやコンビニなどのレジの前に立って、有料であることに気づきしぶしぶ支払っているのが実態だろう。
この連想から4月以降はホテルや旅館に宿泊した際に、部屋の洗面台には歯ブラシもくしもなく、あわてる姿が目に浮かぶということだ。
ただしこの法律が施行されたからといって、特定プラスチック使用製品が禁止されたり、有料化を義務付けられるものではない。あくまでも使用量の削減に向け何らかの目標を定め、使用を合理的に節減していくことが求められている。そのためレジ袋の有料化といった状況にただちに舵が切られるといったものではない。
ホテル旅館のアメニティとしては上記の5品目以外でも、綿棒やコットン、ヘアゴムなどにプラスチックが使用されているケースは多いし、シャンプーやリンス、ボディソープなどのミニボトルは繰り返し使われるものではないため、今後はこうしたアメニティにも対象が広がっていくことが考えられる。