天皇皇后両陛下とは「会話の多いご家族」
――前例にも基づいて、しっかり考えてお話しされていたということですね。
つげ 何度も何度も推敲してお考えになったのでしょう。両陛下の公務での立ち居振る舞いをずっとご覧になってきて、ご自身が国民からどう見られているのかをずっと意識されてきたのだと思います。言葉を尽くそうとされる姿勢も含めて、ご両親の影響はとても大きいと感じました。
――先ほどつげさんも触れていたように、ご家族3人でのエピソードも多く語られました。
つげ ご家族の仲睦まじい、愛情深い関係が感じられましたよね。ご一家を知る周りの方々に話を聞くと、とても会話の多いご家族だとみなさんおっしゃるんです。会見でも、年末年始に参加された宮中祭祀について「これまで両親から話を聞くだけであった行事に自分が参加しているということには不思議な心持ちがいたしました」と述べられていたり、会見にあたって天皇陛下から緊張を和らげるコツを教わったお話もあったりと、随所にそれが出ていたと思います。
さらに、関心事についてのご回答で「私自身、災害ボランティアにも関心を持っております」とおっしゃっていましたが、今年の天皇誕生日の会見では天皇陛下も災害ボランティアに言及されていました。ですから、ご家族でもそういったお話をされていたのではないかと思いますし、日頃からご両親とコミュニケーションをたくさん取っておられるんだなと感じましたね。
――天皇皇后両陛下への言葉を聞かれた際の「生んでくれてありがとう」という言葉も印象的でした。
つげ 愛子さまがご誕生されたときの記者会見で、雅子さまが「本当に生まれてきてありがとう、という気持ちでいっぱいになりました」とおっしゃったことにかけてのご回答でした。
私はちょうど愛子さまがご誕生の日から皇室番組を担当していて、この記者会見は何度も何度も見返していたものですから、愛子さまがこうして堂々とお答えになっているのを見て、ご立派になられたなと涙が出る思いでした。
愛子さまが1歳のとき、雅子さまはご自身の誕生日の記者会見で愛子さまについて「ゆったりと、どっしりとしております」と述べられていました。幼い頃の天真爛漫に手を振ったりといったおおらかさはそのままに、ご両親からしっかりと立ち居振る舞いや皇族としての意識を学ばれていることが強く感じられる成年会見だったと思います。
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つげさんが構成を担当するテレビ東京・BSテレ東「皇室の窓スペシャル~愛子さま 開かれる世界の窓~」は、3月21日(月・祝)朝8時53分より放送されます。