3月17日、天皇皇后両陛下の長女・愛子さまがご成年を迎えられたことを受けて、お一人で記者会見に臨まれた。会見の冒頭で「まずお答えに先立ちまして、昨夜の地震により、亡くなられた方がいらっしゃると伺いまして心が痛んでおります。御遺族の皆様と被災された方々に、心よりお見舞いを申し上げます」と述べられた。
愛子さまは初々しいご様子で宮内記者会からの質問に対して、一問一問丁寧に答えられた。どちらかというとゆっくりとしたお話しぶりからは、堂々とした貫禄も感じられたほどだ。
愛子さまが初めての記者会見でお召しになったのは、春らしい若草色のスーツだった。愛子さまの肌の色によく合っていて、とても品が良く、パールのアクセサリーの輝きを一層引き立てている。そのお姿を拝見して、雅子さまが2019年5月、天皇陛下の即位をお祝いする一般参賀でお召しになっていた鶸(ひわ)色のドレスを思い起こした。若草色も鶸色も、ニュアンスのある絶妙な色味で、やわらかな印象を与えているように思う。
愛子さまご定番の“ショート丈”ジャケット
愛子さまはご成年行事の際、ローブ・デコルテとともにお召しになったジャケットと同様に、今回もテーラードカラーのジャケットをお選びになり、雅子さまの思いやスタイルを継承されているようだった。その一方で、ジャケットの袖口にあしらわれたフレアなデザインや、愛子さまのご定番ともいえるショート丈ジャケットなど、お召し物の細部にはやはりガーリーテイストが生かされている。ヘアアレンジにも、愛子さまのこだわりが感じられた。
昨年12月に成年を迎えられてから、3カ月あまり。今回の記者会見では、愛子さまがどのような成年皇族像や将来を思い描かれているのか、とてもよく伝わってきた。
「どのようなことを大切に準備したかと申しますと、一つ一つの御質問、事前に頂いた御質問に対して、なるべく具体的に自分の言葉で自分の思いを皆さんに知っていただけるように伝えたいと思って準備してまいりました」
このように会見前の準備について述べられ、メディアやその先にいる国民へ、ご自分の思いや考えをできるだけ真摯に伝えようとされていることがお言葉の端々から感じられた。特に関連質問では、大学生らしい愛子さまの受け答えが印象に残った。