文春オンライン

京の旧色街「橋本遊廓」の妓楼を中国出身女性が購入した理由とは

2022/04/03
note

私財を投じて消えゆく妓楼建築を修復

 橋本遊廓で一番の高級店だった旧三桝楼は、大掛かりな改修工事を経て一昨年「旅館・橋本の香」としてオープンした。中国の伝統的な火療・漢方エステの施術室もある。コロナ禍になってしまい旅館の経営は大変だが、政倉さんは自宅マンションを売却して購入資金に充てた他、中国の家も売却して修復費用を捻出したのだという。

旧三桝楼は旅館「橋本の香漢方エステ天寿」へリニューアル。旧三桝楼はもっとも高級な妓楼だった
2Fにある一番人気の遊女が使用した部屋。現在は旅館「橋本の香」のツインルーム

 そして昨年は旅館・橋本の香に続き、2軒目の妓楼も購入。旧第二友栄楼という屋号の橋本遊廓でもっとも古い築120年の物件は借金をしてまで購入したというのだ。私財を投じて消えゆく妓楼建築を修復する政倉さんの活動を知った有志による協力でクラウドファンディングにも挑戦した。経費削減のために政倉さんの家族も参加して修復作業も継続中だ。

 昨年末、旧第二友栄楼だった建物は中国茶カフェ「美香茶楼」に生まれ変わり、女性客を中心に本格的な中国茶が飲める茶楼として注目を集めている。

ADVERTISEMENT

INFORMATION

美香茶楼(旧第二友栄楼)
京都府八幡市橋本中ノ町22
京阪電車「橋本」駅から徒歩2分
電話:090-8375-8761


橋本の香(旧三桝楼)
〒614-8342 京都府八幡市橋本小金川2
京阪電車「橋本」駅から徒歩2分
電話:090-8375-8761
https://ryokan-kaori.com/

写真=関根虎洸

京の旧色街「橋本遊廓」の妓楼を中国出身女性が購入した理由とは

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

週刊文春をフォロー

関連記事