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平安高校同級生が振り返る、楽天・炭谷銀仁朗に本気で怒られたあの日のこと

文春野球コラム ペナントレース2022

ルーキー捕手・安田を支える炭谷、同級生TikTokerが教えてくれた素顔

 先日、ジャイアンツ岡本和真の物まねで人気のTikToker「うせやんパイセン」に炭谷銀仁朗選手について話を聞く事ができた。

 彼は平安高校(現龍谷大平安高校)野球部出身で炭谷銀仁朗とは同級生の間柄である。現在も年末には炭谷親子とゴルフをまわるほど親交が深い。

TikToker「うせやんパイセン」 ©かみじょうたけし

――高校時代はどんな選手やったんですか?

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「背中で見せるタイプのキャプテンでしたね。僕ら同級生には厳しかったけど、後輩には優しいところがあり、むちゃくちゃ慕われてましたね」

――覚えてるエピソードありますか?

「僕がグラウンドで失礼な態度をとってしまって、監督さんから100回謝りなさいって言われて、一人でグラウンドに向かって100回謝った事ありますっ」

――いや銀仁朗さんとのエピソードを……

「で、その事を銀仁朗に愚痴ったら、お前まだ意味わかってないんかぁ!てめちゃくちゃ怒られて、101回目の謝罪を銀仁朗にしました。敬語で」

――ネタですよね?(笑)

「ほんとの話です。同級生に本気で怒れますか? 意識というか、なんか違う次元でやってましたね。あと、ある日台風警報が出て、僕は練習休めるー!!てガッツポーズしてたんですが、彼はバッテリー会議したいから教室に集まってくれ、って。拳を振り上げた自分が恥ずかしなりましたもん。やっぱり同級生からも一目置かれてましたね」

 どちらが一目置かれていたかは疑問だが、同級生の誇りであることは間違いなさそうだ。

 田中将大、則本昂大、岸孝之、涌井秀章とビッグネームは揃うものの5年後のチームを考えると一番の課題は若手投手陣の早急な育成である。支配下登録された小峯新陸やルーキー西垣雅矢、今シーズンこそブレイクさせたい藤平尚真など銀仁朗の腕の見せ所ではないだろうか。

 うせやんパイセンは言う。

「もう彼自身だけが活躍して、評価される選手じゃないですよね。楽天投手陣の成績がよくなった、他のキャッチャーが成長した、おかげで優勝できました。で、はじめて評価されるレベルまで行ってると思うので、プレッシャーはあると思うけどやりきってほしいですっ」

 らしくない、ちゃんとした言葉で締めてくれた。

 足立祐一がいなくなった穴も埋めながら、若手捕手陣が大きな壁にぶつかった時にはそっと寄り添い、そして時には自分自身が彼等にとっての大きな壁になったりとやらなければならない事はたくさんある。今シーズン、東北楽天ゴールデンイーグルスの勝利の影に必ず炭谷銀仁朗がいるような気がする。そんな事を気にしながらシーズンを楽しみたいと思う。

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