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“仲良し”タイガースをぶっ壊せ 2年目トリオ佐藤輝・中野・伊藤将への期待

文春野球コラム ペナントレース2022

2022/03/30

「まさかの4連敗スタート」――面白いじゃないか。もちろん負けたことが面白いわけでも嬉しいわけでもないが、阪神タイガースを叱咤したい気持ちがムクムクと沸き起こってきた。

「これで勝ちきれるのか?」という疑問はキャンプ中からずっとあった。いきなりチクチクとあげつらうがお付き合いいただきたい。まずは課題が守備だと誰もが言うのに、練習量や練習内容が大きく変わったようには見えなかった。ことに記録につかないミスが多かったのだから、それを反省して臨機応変な判断力を磨くための練習に時間を割くかと思ったが、それもなかった。

 各ポジションで競争激化したのは良いことだが、オープン戦の中盤、終盤になってもレギュラーポジションを決めず、意思や呼吸を合わせるプレーを詰めていない。

 大山はサードなのかレフトなのか、佐藤輝はライトなのかサードなのか、糸原はセカンドなのかサードなのか……。中野がコンディション不良で遅れたのは仕方ないとしても、打線の中核を担う選手の守備位置をしつこくあれこれ「お試し」した。守備軽視の象徴とも言われる、守備固めで大山をサードからファーストへ、糸原をセカンドからサードへという「内野手シャッフル」も相変わらずやっていた。

「これで勝ちきれるのか?」疑問を封印してしまった

 高卒ルーキーとして非凡な打撃を見せた前川だが、直球への対応や守備ではまだ二軍で学ぶべきなのが明らかなのに、矢野監督は「もっと見たい」とオープン戦終盤まで引っ張った。ファンサービスもあったのかも知れないが、その時期には他にやるべきことがあった。

 先発ローテが二転三転したのには様々な理由があったが、リリーフの陣容を固めようとしなかったのは解せなかった。オープン戦では最後まで、どの場面でどの投手を使っていくかの継投テストは行わず、勝ち試合の継投パターンを試すこともなかった。

 去年との違いは、盤石のクローザーだったスアレスが抜けたことと、矢野監督が早々に今季限りの退任を公表したことくらいで、他には去年と大きな変化がなかった。

 ただ、藤井康雄一二軍巡回打撃コーチの指導もあってか佐藤輝がボール球を振らなくなったのと、全体的に若手の力がアップしたのと、糸井の体調が良さそうなのとで、チームの雰囲気は悪くなかった。だから、私自身「これで勝ちきれるのか?」という疑問は、「まあ大丈夫なんだろう」と心の奥底の見えない場所に隠してしまった。毎朝書いている自分のブログでも、あえてグチグチ言うこともないかな、言ったら縁起が悪いかな……と「優等生的対応」をしてしまった。