世界中から注目を浴びる韓国映画やドラマだが、演じる俳優たちの演技力も大きく評価されている。『ミナリ』でおちゃめなお婆さんを演じたユン・ヨジョンは2021年のアカデミー賞助演女優賞に選ばれた。
また、ゴールデングローブ賞は今年、55年間も無名俳優だったオ・ヨンスに助演男優賞を与えている。そこで、いま世界が注目している韓国人俳優からパク・ジョンミンをピックアップし、その実力に迫った。
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重厚な中年俳優が疾走している韓国映画界でパク・ジョンミン(34歳)は次世代有望株として第1位に挙げられる俳優だ。「努力する天才」というニックネームを持つ彼らしく、まるで一つ一つ階段を上がるかのように、着実に演技を重ね、毎回新しい姿を見せているからだ。
「映画選びやキャラクター選びがとてもスマートな俳優だ。自分にできる演技領域を実験してみながらも、似たような配役は絶対引き受けない。出演映画では綺羅星のような先輩たちとのコラボを通じて、自分ならではの演技パターンを築いている。同年代の俳優たちの中で大物に化ける可能性が最も高い役者だ」(チェ・グァンヒ)
パク・ジョンミンは2011年、独立映画『BLEAK NIGHT 番人』でデビューした。大人と子供の間に立っている若者たちの彷徨と欠乏を描いた映画でパク・ジョンミンは熱演を繰り広げたが、映画界のスポットライトはイ・ジェフンとソ・ ジュニョンに集中していた。
パク・ジョンミンが注目され始めた映画は、2016年、イ・ジュンイク監督の『空と風と星の詩人~尹東柱の生涯~』である。日本植民地時代の民族詩人だった尹東柱(ユン・ドンジュ)氏と彼のいとこでありライバルだった宋夢奎(ソン・モンギュ)氏との話を描いたこの映画で、宋夢奎を演じたパク・ジョンミンは、その年の新人男優賞を独占した。
イ・ジュニ監督はパク・ジョンミンを「根本からエネルギーを押し上げる俳優」と絶賛した。