パーキング内での当て逃げでクレームが入ることも
フラップ板は接触事故にもつながり、クレームとなる。
「フラップ板で車体に傷がついたというクレームも多いですね。車高を低く改造されていたり、エアロパーツなどを装着されていると、ぶつかってしまうことがあるようです。とはいえ、駐車場内での事故はすべて自己責任となっていますし、フラップ板などの機械が破損していたら逆にこちらから賠償請求することになります」(足立さん)
車高については何センチ以下は入庫不可など細かく規定があるが、場内の看板には掲示しきれない。そこでこうした利用約款はホームページなど記載して、それを参照するという方式になっていることが多く、これもトラブルの原因のひとつだ。
「あと多いのは、パーキング内での当て逃げですね。これも運営会社にクレームが入ることもありますが、基本的には関与せず、警察などに連絡していただくことになります」(足立さん)
車の持ち主が逮捕され、連絡が取れなくなる
運営会社にとって、事故よりも困るのは「置きっぱなし」行為だ。駐車期限も過ぎ、超過料金も払わず、ずっと放置されているクルマは処理が大変なだけでなく、営業妨害にもつながる。
「私どものパーキングは基本的に48時間以上は駐車できないことになっており、それ以上放置されるとまず警告を発して、それでも引取り手が現れない場合は撤去するということになります」(足立さん)
さすがに「ついうっかり忘れた」ということは少ないだろうが、やむにやまれぬ事情で車を取りに来れない人もいる。
「急な病気や入院というケースはよく聞きますが、意外に多いのが車の持ち主が逮捕されてしまうこと。場合によっては数年以上も連絡が取れなくなるので、車は処分されてしまうことが多いです」(足立さん)
足立さんの運営会社では撤去は業者に任せているというが、処分後に「俺の車をどこにやった」という類のクレームもあるという。そこでさらにトラブルになるのが、車の中に高価なものが入っていたというパターンだ。
「車の中にあったものごとすべて処分してしまうので、あとから車内に大事なものが入っていたと言われても対応できません。聞いた話ですが、『ダッシュボードにロレックスの時計が入っていた』と訴えてきたケースがあったといいます」(足立さん)