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コロナで撤退したコインパーキングも多数

 また単純に「料金が高い」というクレームもある。周辺のコインパーキングや時間貸駐車場と比べて高額だという文句だ。

「コインパーキングという業態は様々なパターンがありますが、我々のような運営会社の場合は、土地主から事業用地をお借りして、そこに機械を設置して、管理・営業しています。駐車料金はその地代から、置ける台数や稼働時間を想定して逆算します。もちろん周辺の駐車場料金の相場や、稼働状況なども計算に加えますが、基本的にはお借りしている地代が高ければ、駐車料金も高く設定せざるを得ないんです」(足立さん)

 隣接している土地でも、運営会社が借りる地代や条件が変わってくれば、駐車料金にも差がでてくる。そこで最大料金などを設定して、利用しやすくするのが運営会社のノウハウといえる。

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 いざ運営開始しても、予想よりも稼働率が低い場合は、値段を下げるなどの調整をすることもあるが、最終的には利益が出なければ撤退する、ということになる。

「場所によっては周辺の施設の人気やイベントの有無が稼働状況に大きく影響します。例えば、海の近くのパーキングなら、夏場だけでほとんどの収益を挙げるとか。ここ数年はコロナでイベントが無くなり、人流が減少してしまったので、撤退したコインパーキングもたくさんありますね」(足立さん)

料金を払わず出庫されてしまうことは日常茶飯事

 運営会社は常に新たな事業用地を探している。なので、ある運営会社が撤退した土地でも、すぐに他の運営会社が借り、新たにコインパーキングをはじめるということも多いそうだ。

「機械を設置する施工会社は同じだったりするので、担当者の方から「2カ月前にウチが更地にした場所に、またウチで機械を設置しました」と言われたこともあります」(足立さん)

 これが「以前に利用したことのあるコインパーキングに停めたら、運営会社も料金も変わっていて、料金が想定以上になってしまった」というトラブルの元凶だったりする。

 逆に、お客さんが起こすトラブルで多いのは「料金未払い」。輪止めのフラップ板を文字通り“踏み倒す”行為だ。

「フラップ板を乗り越えたり、なんらかの不正操作をして料金を払わないで出庫されてしまうことは日常茶飯事です。場内は監視カメラで撮影しているので、ナンバーなどから車両を特定して、請求させていただくということになります。逆にいうとフラップ板が抑止にならないことも多いので、近年は輪止めを設置せず、監視カメラだけで入出場をチェックしている方式も増えてます」(足立さん)