物陰で排泄… 周辺の住民の方からクレーム
車内に放置されるのは、モノだけではない。稀にだが、人間ということもある。車内で練炭を焚いたり、排気ガスを引き込んで自殺を図り、そのまま発見されるケースだ。
「これも聞いた話ですが、何度かそのようなことはあったようです。これも警察に任せることになりますので、こちらからは監視カメラの映像を提供するくらいですね」(足立さん)
クレームは利用者だけでなく、周辺住民からも届く。コインパーキングは“都会の空き地”と思われるのか、様々なトラブルの温床となってしまうのだ。
「粗大ゴミを放置されたり、物陰で排泄されたり、寝泊まりされたり……。若者が深夜に集まって騒いだりして周辺の住民の方からクレームが入ることもあります。駐車に関することですと、深夜の空ぶかしや排気ガスの滞留、それと敷地に砂利を敷いている場合は、その砂利が周辺に飛び散ってしまったことでクレームになったことがあります」(足立さん)
都心部で多いのは、「喫煙所」被害だという。
「場内は基本的に禁煙なんですが、なぜかタバコを吸う人が集まって喫煙所と化してしまっている場所もあります。特に千代田区、中央区あたりに多いですね。喫煙するだけでなく、吸い殻や空き缶を放置する人も多くて、その惨憺たる状態を見て撤退したオーナーさんもいます」(足立さん)
コインパーキングはコストカットと省力化を突き詰め、無人のオペレーションを実用化している。しかし、人がいないことで様々なマナー違反がはびこり、トラブルが発生してしまうのだ。
コインパーキングを運営するのは大変そう
「先ほども説明させていただいたように、運営会社は土地をお借りして営業しているだけ。基本的に薄利のビジネスモデルなんです。そこでトラブルやクレーム処理にコストがかかると割に合わなくなってしまうんです」(足立さん)
コインパーキングは土地さえあればノーリスクなビジネスと思われがちだが、運営するのは大変そうだ。利用者もよく規約を理解し、マナーを守って無用なトラブルを起こさないようにしたい。