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「初めて伊沢先生のクリニックを訪れたのは2003年頃のことでした。当時、私は流行していた危険ドラッグにハマってしまい、鬱状態になっていた。そこで『薬ミシュラン』という本で『リタリンが最強』と知り、興味を持った。しかしかかりつけ医に処方してほしいと言っても『リタリンは絶対にダメだ』と処方してもらえなかったんです。

 そこで2ちゃんねるで調べると、『歌舞伎町の東京クリニックが出してくれる』と書かれていたんです。伊沢医師の診察を受けて、欲しい薬を書いたメモ帳を見せました。『前の精神科でもらっていた薬です』と嘘をついてリタリン●●錠などと書きました」

1999年に刊行された「薬ミシュラン」(太田出版)。現在は絶版になっている

 リタリンは前述したようにリスクの大きい薬だ。この男性は、当然、伊沢容疑者から申告の真偽を確認されるだろうと身構えた。

東京クリニックの女性患者が「薬物依存の末に亡くなった」

「でも1分もない診察で『分かりました』と処方してくれたんです。病院内では伊沢医師も『リタリンをやっている』と言われていましたが、事実かはわかりません。歌舞伎町という土地柄か、客もスタッフもきれいな女性が多いなとは思いました。伊沢医師は黒いロングコートなどを着ていて、医者っぽくはなかったですね」

 この男性はその後に覚せい剤を使用し逮捕されたが、それまでの2年間は東京クリニックに定期的に通っていたという。男性の“薬物依存仲間”も伊沢容疑者の元に通っていた。

東京クリニック ©文藝春秋

「私の友人の20代前半の女性は、ベゲタミンAという現在では販売中止となっている強い向精神薬を東京クリニックで処方してもらって依存していました。女性の薬物依存は悪化し、覚せい剤にも手を出すようになり、オーバードーズの末にマンガ喫茶で亡くなってしまいました。安易に強い薬に手を出していた私たち患者の自業自得ではあります。でも、危ない薬をどんどん処方する伊沢医師はどのような気持ちで処方していたのか……」

 日本一の歓楽街・歌舞伎町で、問題を起こし続けていた精神科医の伊沢容疑者。事件の真相の究明が待たれる。

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