4月6日 柴田竜拓
4月7日 戸柱恭孝、牧秀悟、倉本寿彦、山下幸輝、濵口遥大、神里和毅、齋藤隆コーチ、チームスタッフ3名
4月8日 砂田毅樹、楠本泰史、チームスタッフ2名
4月10日 山﨑康晃、桑原将志、チームスタッフ1名
6日からの5日間で実に11選手、コーチとスタッフ7名が新型コロナウイルス陽性判定を受けたベイスターズ。7日~10日の4試合は延期。特に8日中日戦(横浜)は地元局tvkの開局50周年を記念した冠ゲームの予定で、中継も解説が齋藤明雄さん、松原誠さんと高木由一さんがゲストというオールドファンも必見の内容だった。さらには9日、10日を含む3日間とも好天で、遠方から観戦を予定していたファンも多かったはず。この週末は初夏のような陽気の中、ベイスターズだけが置き去りにされたようだった。
当初、開催が危ぶまれた今日12日からの対巨人2連戦も無事行われるとのこと。頼みの牧に山崎康、桑原も楠本も濱口も欠く状況は本当にしんどいが、待望のソトが昇格し、おそらく伊藤裕季也やルーキー梶原昂希もファームから上がってくるはず。彼らの力がどこまで通用するのか、できればスタメンで見てみたい。
ようやく「らしさ」を発揮してくれた大田泰示
それにしても、6日の阪神戦で勝てたのは本当に大きかった。先発・石田健大が好投するも相手の伊藤将司にタイムリーを打たれ、打線はその伊藤に手も足も出ない。前日の敗戦で阪神の開幕からの連敗を止め、さらにこの試合も完封負けとなれば一気に雲行きが怪しくなる。そこを救ったのが9回2死フルカウントからの牧の技あり同点打。そして延長でリリーフした田中健二朗、伊勢大夢の粘りのピッチングだった。さらに打つ方ではもうひとり、北海道日本ハムからやってきた大田泰示がようやく「らしさ」を発揮してくれた。
8回に代打で登場し、延長11回先頭打者で移籍初安打となる三塁打。得点には結びつかなかったものの、1点を勝ち越した12回には1死満塁、3ボールからインハイのボール気味の球を思い切り引っ張って走者一掃の二塁打。その目の覚めるような打球はさながらソト&オースティンのごとし。強烈なインパクトがあった。その後4試合が延期になったことを思うと、あの試合を勝つか負けるかでチームの雰囲気もファンの気分も大きく変わっていた。
試合後、移籍後初のヒーローインタビューを受ける大田の姿も印象的だった。
“なかなか(チームに)貢献できていなくて……今日やっと貢献できて嬉しいです”
“一歩ずつ(チームの)一員に近づいているなという感じです”
両手でマイクを持ち、落ち着いた声でひと言ひと言丁寧に受け答えする大田。短い喋りの中に、彼の言葉を大事にする心持ちのようなものを感じたファンも多かったと思う。
筆者はあのインタビューを聞いて、2009年の今頃のことを思い出していた。東海大相模高から巨人に入団したばかり、ルーキーイヤーの大田泰示を広告の仕事でジャイアンツ球場で取材した時のことを。