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2018/05/07

男性がうつ病になってしまうケースも 

 ではなぜ男性は分からないのでしょうか。その理由は、男女間では夫婦喧嘩の認識も違えば、コミュニケーションの取り方も違うからなのです。

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 妻にとっては夫婦関係を良くするために口にしていることや、話し合いだと思っていることも、夫は「妻に文句や小言ばかり言われている」「喧嘩を吹っ掛けられている」と感じてしまう。

 また、何回、言っても夫に分かってもらえないので、妻は、きつく言えば分かるだろうと思い、言葉や口調がエスカレートしてしまう。

 そうなると夫は何も言えなくなります。妻に何か言うと何倍にもなって返ってくるし、喧嘩になるからです。次第に妻の言葉に怯(おび)えるようになり、妻の存在自体に萎縮(いしゅく)してしまう。気がついたら帰宅恐怖症で、子供に申し訳ないという強い想いをもちながらも、別居や離婚へと発展してしまう……こうしたケースがとても多いのです。

 帰宅恐怖症は家庭を壊すだけでなく、社会への影響も無視できません。男性がうつ病になってしまうケースも少なくないのです。帰宅恐怖症の男性の多くは妻がお金の管理をしており、自由に使えるお金が少ない。だから外での食事も安く済まさなければならないため、栄養バランスが悪くなって体調を崩しがち。

 さらに妻が寝る深夜まで帰宅しないので常に睡眠不足です。こうした精神面と体調面のダブルパンチで、うつ病になり、休職してしまうのです。

 これまで帰宅恐怖症の男性にとって、職場はある意味、逃げ場となってきました。ところが働き方改革などで残業や休日出勤の管理が厳しくなりました。逃げ場を失った男性は、より精神的に追い詰められてしまうようになるでしょう。

 帰宅恐怖症は特別なケースではありません。実は普通だと感じている結婚生活のなかに、その芽が潜んでいます。家庭と職場を破壊する帰宅恐怖症を避けるためには、これからの時代、今までの夫婦関係を見直す必要があるのです。