昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

「佐々木朗希の105球」を現地で観たファン、観られなかったファン、それぞれの“あの一日”

文春野球コラム ペナントレース2022

2022/04/16

 これほどまでに「プレーボールから見ときゃよかった……ZOZOマリンで……」と後悔した日はない。

 言うまでもなく佐々木朗希・完全試合のことである。

《スポーツのニッチなところを押さえる》というモットーを胸に活動しているので、週末の昼は「今日はどのスポーツを観ようかな」という選択に迫られる。生観戦や取材に行きたいのはやまやまだけど、「とりあえず注目競技がいっぱいあるぞ」となった時は、コロナ禍以降は「おうちスタジアム」を選択することが増えた。

 で、2022年4月10日です。

 プロ野球はもちろん大谷翔平や澤村拓一(がんばっててうれしい)らのMLBも始まったし、欧州サッカーとマスターズを見たのでちょっと眠い、ただGI桜花賞も15時40分には発走だよな、そもそもなんで今週はJ1が日曜日開催なんだよ! とブツブツ言いながら、14時時点では地上波中継だったFC東京vs浦和レッズにチャンネルを合わせていたことを懺悔します、はい。

最年少完全試合を達成した佐々木朗希

佐々木朗希の完全試合を現地で観たファン、観られなかったファン

「え、佐々木朗希、なんかすごいことになってる?」

 こう気づいたのは前半終了間際かハーフタイムだった気がする。ふとスマホに目をやったツイッターで、フォロワーさんがつぶやいた「佐々木朗希9連続三振!」の文字が目に飛び込んできた。「ええ、何それ……」と思い、ひとまずiPadで配信を観始める。そこからでも遅くないほどに佐々木朗希は「K」の文字を刻み込みまくっていた。

 大記録が13連続奪三振で止まったときに「えええ、ここまでパーフェクトなの??」とさらなる事の重大さに気づく。するとたまたま実家にいたので「バカ! 早く佐々木君を見せろ!」との両親の怒号が鳴り響き、クロームキャストでテレビにつなぎ、その後の快投を見届けた次第でした……。

 とまあ、「僕はどうやって佐々木朗希の完全試合を観たか」を(生観戦でもないのに)つらつらと書いてしまったわけですが――歴史的瞬間に立ち会う僥倖に恵まれた方、行けた可能性があったのにチャンスを逃した方、この数日でどちらのファンともコミュニケーションを取る機会があったので、ボカシを入れながら(ボカシが粗かったらすみません)ご紹介します。

現地組の人から届いた当日のZOZOマリンの写真。うらやましいなあ  ©茂野聡士

 さてまず、ラッキーだった方から。

 前述のツイッターで佐々木朗希の歴史的快投を教えてくれた、Aさんである。約1年前に仕事つながりでフォローし合った仲だが、逐一ZOZOマリンの状況を動画と写真でアップロードしてくれて、リアルタイムでその空気感を伝えてくれた。28年前の槙原寛己の時はたぶんギリでケータイがあるかどうかレベルだから、時代のうつろいを感じる……っていうか、この人とツイッターで繋がってなければ、気付くのがたぶんもっと遅れていたな……。

 そんなAさんとのやり取りで感じたのは《大快挙が迫った球場のリアルな空気感》である。

 序盤から中盤まではオリックス先発の宮城大弥のテンポもよかったため「ビールを注文してるヒマがない」、「トイレに行きたいのに席を外せない(色々な意味で息が詰まる雰囲気)」になっていたのだという。なお完全試合達成後のグッズショップでは、ユニフォームを筆頭に佐々木朗希グッズが飛ぶように売れていたとか。うーむ、これぞ緊張と緩和。