最終回が目前に迫るNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」。親子3世代・100年にわたる愛の物語は、どのような結末を迎えるのか。「週刊文春」はこれまで何度もカムカムについて報じてきた。最終回を控えた今、読み返したい記事をあらためて公開する。文春でしか読めぬものがある――。(初出:週刊文春 2022年2月10日号 年齢・肩書き等は公開時のまま)
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昨秋の晴天下、淡路島の海岸に容姿端麗な2組のカップルが現れた。
「ちょっと足浸かって来ま〜す」
ふいに海へ歩き出したのは、女優・市川実日子(43)。彼女の自由な振る舞いに、周囲は笑いに包まれた。
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「カムカム」の撮影現場で空気を和ませる市川
実はこれ、NHK朝ドラ「カムカムエヴリバディ」撮影中の一幕。深津絵里演じる大阪編の主人公るい、オダギリジョー演じる錠一郎、市川演じる京都出身の女子大生・ベリーらのWデートのシーンだ。
「市川さんは深津さんの恋敵役ですが、自然体な彼女が撮影中も空気を和ませてくれるため、現場は終始穏やかです」(NHK関係者)
舞台が京都へ移っても、深津の良き友として存在感を発揮する市川だが、近年は評価の高い作品に次々登場。18年の「アンナチュラル」(TBS系)、19年の「凪のお暇」(TBS系)、21年の「大豆田とわ子と三人の元夫」(フジ系)では、主人公の親友役を好演した。
「市川さんはノーメイクの時が一番魅力的」
今季は「DCU」(TBS系)でも、主演の阿部寛の婚約者を演じる。映画もドラマも、話題作には絶対いる市川。なぜこんなにも“モテる”のか。
人気に火を付けたのは、16年の映画『シン・ゴジラ』。ゴジラの生態を解明する官僚役で、日本アカデミー賞優秀助演女優賞も獲得。共演した塚本晋也が語る。
「難解なセリフが一杯あるので、俳優はみんな必死。でも市川さんは本番直前までスタッフとゲッラゲラ笑っているんで、びっくりしましたね。僕はそんな余裕なかった。ほぼすっぴんの役だったと思いますが、市川さんはノーメイクの時が一番魅力的じゃないでしょうか」
庵野秀明総監督も市川が現れると顔がほころんだという。塚本との共演は02年公開の映画『とらばいゆ』以来、約15年ぶり。