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製麺機オタクが作る年越しそばはどんな味? 秋葉原「あきば」の主人に聞いてみた

「手先の感覚は、AIとは別物だよ」

2017/12/12
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うどんにも手を出した

 うどんも製麺しているのだが、茹で置きはしたくないので、細うどんにしてそばと同じ茹で時間で提供しているという。手ごねうどんは隠れた人気メニューだ。

「手ごねうどん」500円もひそかな人気 

 夏には仕入れた小麦粉から中華麺を作って、冷やし中華デーを開催したり、不定期だがそば打ち教室も開催する。今年も永平寺産のそば粉を使った十割の年越そばの予約を始めているが、うかがった11月30日にはすでに、予約が埋まりつつあるという人気ぶりだ。

 

手先や指の感覚はAIとは別物だよ

 帰り際、手打ちから機械派に転じ、今や麺線データも扱う石月さんに真面目に「来るべきAI社会をどう思うか」と質問してみた。

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 すると石月さんは「そば打ちのあらゆるデータが取れるなら、それは素晴らしいこと。でも、手先や指の感覚はそういうAIの知識とは別物だよ」

こだわりの十割そば

 たまに食べに行くと、厨房から出てきて、最近のそば粉の情勢について舌も滑らかに説明してくれる。石月さんはそば打ちに対する情熱が非常に高い、(天使でなく)仙人のような存在なのだ。

「あきば」の入りやすさは立ち食いそば屋並みではある。しかし、その味のベクトルは老舗や手打ちの味に向いている。

※なお、あきばは2019年12月をもって閉店しました。店主急逝とのことです。

戸隠産のそば粉で食べた10割蕎麦が忘れられません。(2020.01.14)

INFORMATION

あきば

東京都台東区台東1-10-3 第95新井ビル 1F
営業時間 月~土 6:30~15:00
定休日 日祝

製麺機オタクが作る年越しそばはどんな味? 秋葉原「あきば」の主人に聞いてみた

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