4月からのドラマがとても豪華だ。綾瀬はるか×大泉洋という豪華コンビによる「元彼の遺言状」、今田美桜のハマリ具合に期待しかない「悪女(わる)」、柴咲コウのショートカットが美し過ぎて正座して見たくなる「インビジブル」、冬クールの「婚活探偵」に続き、向井理の斜め前なキャラクターを楽しめる「先生のおとりよせ」などなど。
そして、私が最も胸を高鳴らせているのが、土屋太鳳主演の「やんごとなき一族」である。名家に嫁いだヒロインに待ち受ける、一般常識からかけ離れた慣習の壁。テーマは「アフター・シンデレラ・ストーリー」!
確か2021年の映画「哀愁しんでれら」でも彼女は「シンデレラのその後」の恐怖を演じていた。
ギョッとするような“鬼の形相”
子どもの頃、純粋に憧れた童話のハッピーエンド。ところが大人になるとついついツッコミたくなる。いやいや、そこから先には日常が待っているから。惚れたハレタで済まないことがきっと山積みだから、と。土屋太鳳が2021年に主演した映画「哀愁しんでれら」でも、友人のセリフが、バシリと代弁してくれていた。
「シンデレラの物語怖いもん。足のサイズしか知らないで結婚しちゃって大丈夫?」
私はWOWOW放送時に見たのだが、中盤からクッションを抱えて固まってしまった。怖すぎて!
スピード婚で医者の泉澤(田中圭)と結婚したが、水が合わず一家にいじめられ、キレて逆襲する話……と思っていたのが、意外な展開に呆然。
しかしなによりギョッとしたのは、土屋太鳳の「うちの子がやるわけないでしょ!!」という鬼の形相。画面から手がニョキッと出てグーパンチで殴られたようなパッションを感じた。
土屋太鳳、恐ろしい子……! どんな逆風が吹いても、泣きながら真正面を見て正論を言いそうな優等生感。そして日本女子体育大学仕込みの運動神経と体力。この二つが螺旋を描いて、ブワーッと発散していくような生命力は不思議なギラギラを放っている。