21歳で夜逃げ、タコ部屋へ…
――夜逃げですか。
林下 そうです。18歳で会って一目惚れして3年付き合いました。彼女から3年待たされて21歳になってやっと童貞喪失です。本当に素敵な人だったんですが、当時の俺は、結婚して師匠の培ってきた大きな看板を背負う覚悟がなくて。とりあえず新幹線で上野駅まで逃げました。
手元に残ったのは400円で、パチンコ行ったら、もうあっというまに無一文。仕方がないから駅で寝てたら、いわゆる手配師に声をかけられて、何も考えずについて行った先が、タコ部屋でした。3年ほどそこの建設現場で働いていましたが、24歳の時に岐阜で接骨院を開いていた先輩に拾ってもらいました。そこで最初の嫁と出会うんです。
――最初の結婚が25歳ですよね。結婚を決めた理由はなんだったのでしょうか。
林下 出会ったその日に結婚を決めました。俺が彼女に事務員としての仕事を教えながら、「俺と結婚したら一生ここで働けるぜ」って言ったら、本気にして親に「プロポーズされた」って話したみたいで。それからあれよあれよという間に彼女の親に会って、結婚に話が進んで。向こうも20歳の誕生日に結婚することが夢だったみたいで、ちょうどお互いフリーだし、良い機会だったんだと思いますよ。
――その日ですか。
林下 俺は歴代の嫁で口説くのに一番時間がかかったので9時間ですから。口説くっていうのはベッドに誘うわけじゃないです。結婚しようって口説くんです。
だってお互いに家族になりたいと思わなかったら、どの程度真剣に考えたらいいかわからないから。彼氏とか彼女っていう不安定な関係に興味がなかったんです。だから今まで結婚した人と付き合ったことはないです。
「俺は一回もレスになったことがない」
――なるほど。とりあえず結婚して、その先のことは家族になってから考えればいいと。
林下 だって一生一緒にいるかなんて、どんなに相手のことを知ったってわからないでしょ。その時に一緒にいたいと思ってから結婚するわけで。
でも俺は家族になったらちゃんと大事にしますよ。結婚してから一度も不倫をしたことがない。今、セックスレスの夫婦が増えていますけど、俺は一回もレスになったことがないです。
30歳くらいから性欲はないんですけど、精力はあるんですよ。嫁さんには「やりたかったらいつでも言えよ」って。俺から誘うというよりは、向こうから誘ってくることが多くて。俺も誘われたら「はい」って受け入れるんで、そういうので悩んだことはないですね。子どもがいるのに、いつそういう機会があるんだってよく聞かれるんですけど、そんなのいつだって時間取れるでしょ。
当時高校生だった長男に、「今日は排卵日だから子作りしてくるから、小さい子どもたちの面倒みとけよ」って言ってましたし。そういう面では子どもへの性教育はしていましたね。