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 すると、夕刊フジ掲載の政治評論家・鈴木棟一氏のコラムが生臭かった(3月31日付)。与党への傾斜を強める玉木氏をどう見るかというお題に「玉木氏と親しい野党議員」が語っていた。

「玉木氏に、戦略は特にはないようだ。もともと、大戦略をつくれるような人ではない。政局観もない。自分のことを褒めてくれる人の方を向き、接近していく」

 では、自分のことを褒めてくれる人とは?

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「自民党の麻生太郎副総裁だ。麻生氏は連合を取り込もうとして、玉木氏をおだてているようだ」

 あ、ここで麻生太郎の名前が。自民党の狙いは連合だった。そのトリガー(引き金)として玉木氏がおだてられていたのか。生臭い話が得意なタブロイド紙は一般紙と併せて読むとわかりやすい。

麻生太郎 ©文藝春秋

「国民民主党の終わりの始まりだ」

 ではもう一つ、併読が面白かった件を紹介しよう。与党に近づく玉木氏に対して自民党閣僚経験者がこんなことを言っていた。

「過去の社会党や新自由クラブ、新党さきがけなどを見ても、うちにすり寄るようになったらその党は衰退する。今回の動きは国民民主の終わりの始まりだ」(毎日新聞3月9日)

 すると夕刊フジは「(玉木氏は)国民民主党はやがて『消える』可能性もあると分かっているようだ。最悪の場合、玉木氏単独の自民党入りもありそうだ」というベテラン記者のコメントを載せていた(鈴木棟一コラム3月12日付)。

 え、党の連立より玉木氏単独の自民党入り? いかにもタブロイド紙的な展開予想だが、しかし玉木氏が永田町の一部では「こう見られている」「そう思われている」という声は一般読者にとって貴重な野次馬情報だ。