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「小学生の頃から、お小遣いはあるだけ使うタイプだった」

かん 私は小学生の頃から、お小遣いはあるだけ使うタイプだったので、そのまま社会人になってもお給料は全部使ってるって感じです。家計簿をつけようと思ったこともあるけど、無理でした。辛酸さんの『おしゃ修行』で「ここ何年かは、カードの明細書は目の焦点を合わせないで数字を直視しないようにして取り出すようにしています」って書いてあったの、すごくわかります(笑)。

ユッケ 私も貯金は全然してないです。ミニマム50万円くらいは常に確保しておこうとは思っているんですけど。

『おしゃ修行』と同人誌「悪友」

かん えっ、そんなに! 

ユッケ 最近、引っ越したいなと思っていて。だいたい初期費用がそれくらいだから。でもそれ以上増やす意義はあまり感じられないから、できない。ほかに楽しいことがたくさんあるから、使っちゃおうってなる。

「苦節時代」があっての「自転車操業」

もぐもぐ 社会人になって、自分で稼いだお金は自分の好きに使っていいんだと思ったら、タガがはずれちゃったなあ。親は、娘がこんなに散財しているなんて想像もしていないと思う。この本を出していることも言えない……と思っていたら、不可抗力でバレちゃったけど。

劇団雌猫のもぐもぐさん

ユッケ 私も親がすごく厳しくて、中高時代はずっとお小遣い帳をつけていたんですよ。そうすると節約しなきゃという気持ちになるし、ある程度は管理もできていた。九州の田舎だったから、お店もたくさんはなかったし。ところが大学生になって、東京で一人暮らしとともにバイトを始めて。万単位のお金を手にしたら歯止めがきかなくなりましたね。気づけばあっというまに自転車操業。

辛酸 私の場合も似ていますね。親が厳しくて、あまり贅沢を知らずに育ってきたので、いつか自分のお金でほしい服を好きなだけ買いたいと思っていた。子供時代にダサいと馬鹿にされてきた思い出の反動もあって、気づけばファッションにお金を注ぎこむようになっていました。

ひらりさ みんな苦節時代があっての、今なんですね(笑)。

(#2に続きます)
写真=釜谷洋史/文藝春秋