ぬいぐるみや文具などのグッズはもちろん、イヤリングやコスメなど女性向けの商品も多い。また、東京スカイツリータウン・東京ソラマチには2019年から「カービィカフェ」が常設オープンしており、カービィを題材にした特別なメニューが楽しめる。
前述の下着を見ればわかるように、カービィは女性にも人気のキャラクターといえよう。筆者のように当時子供だった人のみならず、現在の子供にも認知されており、ただのゲームキャラクターという枠を越えているのだ。
だれにでもクリアできるゲームを目指して制作された『星のカービィ』は、多くの人に愛されるキャラクターとしても人気を博している。『星のカービィ』シリーズはゲームの入門作品なので入りやすいし、単純にキャラクターとしての知名度も高いのでゲームを遊ばない人にも好まれる。ピンクで丸いデザインも秀逸で、いろいろな意味で親しみやすい存在となっているのだ。
シリーズ最新作となる『星のカービィ ディスカバリー』では、カービィが車やジェットコースターをほおばってしまう「ほおばりヘンケイ」という新たな変化を加えつつ、多くの人が遊びやすい内容に仕上がっている。しかもシリーズ初の3Dアクションに挑戦しており、少しずつ進化を遂げているのだ。
「じつは子ども向きだなんてアピールは、私はぜんぜんしてないんですよ」
もちろん、シリーズ最新作の『星のカービィ ディスカバリー』も見事な内容だ。カービィのさまざまなほおばりヘンケイやコピー能力を楽しんでいるうちに、いつの間にかクリアしてしまうような体験になっているだろう。
2000年のインタビューで、カービィの生みの親である桜井政博氏はこう語っている。
カービィシリーズって、子ども向けっていうパブリックイメージがあるような気がしますが、じつは子ども向きだなんてアピールは、私はぜんぜんしてないんですよ。あくまでも“初心者向け”なんです。だから、難しいところもあるし、スピード感だってあります。遊び方を自分でいろいろ工夫できるゲームなんですね。ただ、そのよさに誰よりも早く気づいたのが子どもで、それで子どもに人気があるのかもしれませんね。
任天堂マガジン・2000年3月号「人気キャラ・カービィの魅力に迫る!」より
初心者向けのアクションゲームという当時は珍しかった立ち位置を、着実に守り続けてきた『星のカービィ』シリーズ。現在は多様な展開でより多くの人に知られるゲーム・キャラクターになり、30年の歴史を築くまでになった。ピンクのまんまるは、きっとこれからも多くの人に愛される存在となるだろう。