2022年4月27日で、テレビゲーム『星のカービィ』が30周年を迎える。本作は『大乱闘スマッシュブラザーズ』で知られる有名ゲームクリエイター、桜井政博氏が立ち上げたゲームだ。
『星のカービィ』の特徴のひとつは、多くの人が遊びやすい難易度である。本作が発売された1992年以前のアクションゲームは難易度が高い傾向にあった。当時ハル研究所に所属していた桜井氏はその状況を考慮し、「だれにでもクリアできるゲーム」を作りはじめる。
全世界で500万本を売り上げるヒットタイトル
実は本作、発売前までは『ティンクル★ポポ』という名称で開発が進められていた。制作は注文を受ける段階まで進んでいたものの、任天堂の宮本茂氏の判断により、さらに魅力的な商品にするため発売が延期されてしまう。
この仕切り直しに関連して、タイトルが『星のカービィ』に変更される。こうして世に出る前に名前が変わったカービィは、全世界で500万本を売り上げるヒットタイトルと化すのであった。
『星のカービィ』は現在もハル研究所によって開発されている。この会社には、任天堂の代表取締役社長を務めた岩田聡氏も在籍していた(1993年、経営再建のため取締役開発部長から社長になる。15億円の負債を6年間で完済し、その手腕が買われて後に任天堂へ入社することに)。
岩田氏も『星のカービィ』シリーズに関わりがあり、後のインタビューで「すぐそばに幼稚園があって、そこではじめてカービィの落書きを発見したとき、忘れられないくらい感動した」と語っている。はじめてゲームを遊ぶであろう幼稚園児の子供たちにも受け入れられたことを見るに、桜井氏のアイデアは見事だったというべきだろう。
かくいう筆者も、幼稚園児のころはじめてクリアしたゲームが『星のカービィ』であった。当時のらくがき帳を見てみるとカービィの絵がたくさん描かれており、ゲームの楽しさを教えてくれた重大なタイトルであることがわかる。当時は特にこういう子供がたくさんいたのだろう。