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「どうして小室さんでダメなのか、僕にはさっぱりわからない」紀子さまの父・川嶋辰彦さんが明かした“信念”――2021年BEST5

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2022/05/23

source : 文藝春秋 2022年1月号

genre : ニュース, 皇室

note

父親中心の川嶋家

 それから少しして、実際に私は内藤記者と目白の喫茶店で紀子さまにお会いした。内藤記者はすでに前年から何度か話を聞いており、会話はとても自然だったが、私はその時、川嶋さんがなぜ記者に娘を紹介したか、わかったような気がした。20代そこそこの紀子さまの対応は、父親にとてもよく似ていたからだ。ニコニコしながら何分でも会話はする。だが、肝心なことは話さない。

「それはね、ひ・み・つ、です」

「さあ。斎藤さんはどうだと思いますか」

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 じつに、手強いお方だった。

1989年9月12日、記者会見を終えた礼宮さまと川嶋紀子さん(当時) ©JMPA

 川嶋家は、父親中心の家庭だった。川嶋さんを軸に、家族4人ががっちりとまとまっていた。紀子さまが高校のころから自宅にテレビを置かなくなったのも、川嶋さんの判断だったと聴いた。おかげで紀子さまは、高校時代、それまでにもまして猛烈に本を読んだという。

「決して押さえつけないし押しつけないのにいつの間にか夫の思っている通りに事が進んでいるんですよ」

 妻の和代さんから、そんな話を聴いたことがある。

 本を読み、絵を描き、ピアノを弾く。小さいころから乗馬やテニス、スキーを楽しみ、手話や奉仕活動に汗を流す。紀子さまはまさに、川嶋さんにとって理想の娘だったろう。

「かわいい子には旅をさせろ」

「人種的な偏見を持たない子に育てたい」

 川嶋さんのモットーにそって、大学時代には、青年の船で東南アジアも訪れている。

今年撮影された秋篠宮ご一家のご近影 宮内庁提供

 内藤記者はその後、九州に異動し、私は1人で川嶋家の取材をつづけることになった。礼宮さまは88年から英国に留学され、紀子さまは礼宮さまと離ればなれになったことで、ご自身の気持ちをはっきりと自覚されたように思う。

後編に続く)

2021年「皇室部門」BEST5 結果一覧

1位:愛子さまはご成年行事の合間に涙ぐまれ…ティアラ借用を快諾した黒田清子さんが“ほっとした表情”を浮かべた瞬間
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2位:「兄二人よりしっかりしている」紀宮さまのとり計らいで、美智子さまと紀子さまは…《秋篠宮ご夫妻は“どうしてもいま結婚したい”と迫った》
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3位:愛子さま20歳「全ての経験が私の財産となっています」眞子さん“NYファッション”のルーツと、佳子さま“スカート丈”への変わらぬこだわり
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4位:「あれでお役に立っているのでしょうかね」秋篠宮さまと黒田清子さんゆかりの研究所“経済的窮状”に、上皇さまと美智子さまが仰ったこと
https://bunshun.jp/articles/-/53827

5位:「どうして小室さんでダメなのか、僕にはさっぱりわからない」紀子さまの父・川嶋辰彦さんが明かした“信念”
https://bunshun.jp/articles/-/53826

「どうして小室さんでダメなのか、僕にはさっぱりわからない」紀子さまの父・川嶋辰彦さんが明かした“信念”――2021年BEST5

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