文春オンライン

収入は何十分の一、体重は15キロ減り…プロ野球界から干された橋本清が悩みながら学んだこと

文春野球コラム ペナントレース2022

2022/05/05

中田翔が這い上がる姿を見たい

 今の僕は、飲食業を仕事の主軸にしています。銀座の「牛肉割烹 汐華(ゆうか)」という店で働いています。銀座の店ということもあってハードルが高く見られがちですが、野球好きのお客さんも多く親しみやすい店ですよ。ぜひ、いらしてください。

 人と人をつなぐことで痛い思いもしましたが、地獄の底で僕を救ってくれたのも人との縁でした。これからも現場に立ち続け、人と人をつないでいこうと心に決めています。

 一時は収入が何十分の一まで落ちましたが、今はだいぶ回復しました。前を向いて、一生懸命に日々を生きています。

ADVERTISEMENT

 事件の頃は「見たくないな」と思うほど野球を遠ざけた時期もありましたが、今はテレビでプロ野球を見ています。自分自身がリリーフだったこともあり、気になるのはブルペン陣ばかり。

 巨人は大勢がストッパーに定着したことで、チームに安心感を与えましたね。あとは野手にもそんな存在が現れるかどうか。個人的には中田翔に期待しています。逆境から這い上がる姿を見たいんです。

 巨人の大先輩であるデーブ大久保さんやPL学園からの仲間である片岡篤史(中日2軍監督)が、僕の球界復帰のためにYouTubeチャンネルに呼んでくださったこともありました。今は仕事も充実しているので、何が何でも野球界に戻りたいという執着はありません。でも、ひとつ心残りがあるとすれば、『プロ野球ニュース』(フジテレビONE)には復帰したいな……という思いです。

 昔から大好きで、プロ野球を100パーセント伝える素晴らしい番組。ようやく仲間に入れてもらえて、つかんだチャンスだったのに……という思いは今もあります。

 とはいえ、人生は山あり谷あり。完全試合もあれば、1アウトも取れずにKOされる試合だってあるでしょう。

 死ぬことまで考えた時期もありましたが、今はいい経験をしたと思えます。ため息ばかり吐いていれば、マイナスなものばかり引き寄せてしまう。今の僕は、野球で得たものを人のために使いたいと思って生きています。

 野球人としてメッセージを発信するというよりは、一人の人間として生きるためのメッセージを届けたい。いろんな環境、状況で頑張る人々のなかに、僕の言葉に少しでも共感してくれる人がいたら幸せです。

 もし何かに迷い、悩んでいる人がいれば、ぜひ僕に会いに来てください。PL学園の時から、「2アウト満塁の場面でも常に真ん中勝負」と決めています。魂のストレートを投げ込みますよ!

◆ ◆ ◆

※「文春野球コラム ペナントレース2022」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト http://bunshun.jp/articles/53895 でHITボタンを押してください。

HIT!

この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。

収入は何十分の一、体重は15キロ減り…プロ野球界から干された橋本清が悩みながら学んだこと

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春野球をフォロー
文春野球学校開講!