しゃぶしゃぶ・日本料理でお馴染みの飲食チェーン「木曽路」。同社の労働組合が2021年6~7月に従業員約1100人を対象に行った「従業員意識調査」で、「パワハラ・いじめ」が「ある」と答えた人が、23%もいることが「週刊文春」の取材でわかった。
木曽路は焼き肉屋・居酒屋も展開し、東証プライムに上場。グループ全体で300億円超の売上高を誇る飲食チェーンだ。全国に163店舗を出店し、正社員は約1200人を数える。
「従業員意識調査」は今回で4回目。前回の2018年と比べ、「パワハラ・いじめ」が「ある」と答えた人は3ポイントも上昇。近年悪化していることが見て取れる。
またパワハラの内容も過激だ。「蹴る、殴る、胸ぐらをつかむ、物にあたるなどの暴力行為」があると訴えた人が16%。「人前で大声で怒鳴る、ねちねちと陰湿な叱責をする」に至っては、74%が「ある」と答えている。
労働時間も長く、過酷だという。
「昨年末には残業が月160時間を超え、300時間働いた人もいます」(従業員)
パートやアルバイトを含む従業員の総労働時間が記された内部資料によると、昨年12月、残業時間が45時間超の従業員は約1000人、100時間超が39人いた。だがそのタイムカードの打刻時間より、実労働時間は長いという。
「繁忙期、調理担当は朝6時半ごろに出勤しても、上司がまとめて9時に打刻する。タイムカード上は昼に2、3時間休憩したことにしていますが、実際は昼食後にすぐ仕事。21時半に終わって打刻しても、片付けや翌日の仕込みもあり、帰宅は深夜になる」(同前)