天候不順による野菜の高騰、レジ袋の有料化、消費税の増額といった、生活に直結するニュースが出るたびに、「スーパーアキダイ」社長の秋葉弘道氏は、市井の景況感についてコメントを求められる。なんと、その取材量は年間300本以上。なぜ、数ある八百屋・スーパーのなかで「スーパーアキダイ」は取材先として選ばれ続けるのか。

 ここでは、秋葉氏の著書『いつか小さくても自分の店を持つことが夢だった スーパーアキダイ式経営術』(扶桑社)の一部を抜粋。TV局からの取材が殺到する理由について紹介する。(全2回の2回目/前編を読む)

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年間300本! テレビに出る本当の理由

 近年、アキダイには年間300本以上のテレビ局の取材が来ています。

 いつ頃から取材依頼が舞い込むようになったかははっきりと覚えていませんが、記憶に残っているのは、農林水産省が作成した「野菜高騰」と書かれた資料を手にしたテレビや新聞の記者さんたちが、取材でウチを訪れたのが始まりです。

 その資料に目を通して、すぐに気づいたのは書いてある情報が古いことでした。役所のデータは僕らのような小売業の情報を収集・集計して、分析を加えてから公表されるので、どうしてもリアルタイムの情報とはタイムラグが生じてしまう。そうした点を指摘して丁寧に説明すると、記者の方にとても喜んでもらえました。

 

 そのことで信頼を得られたのか、徐々に取材が増え始めて、東日本大震災が起きた2011年を境に、現在のように店の前にテレビ局のクルーが取材の順番待ちの列を作るようになったんです。震災によって日本の物流網が寸断され、野菜や果物の価格が高騰していたのと、原発事故によって福島県産の青果物の風評被害が懸念されていたので、当時、テレビ局のみなさんはこの点について話を聞きたがっていました。

 現在では、民放をはじめ、NHKのEテレまで、テレビは地上波の全局がよく取材に来ています。なぜ、アキダイばかりに取材が集中するのか? よく聞かれる質問ですが、決して僕が目立ちたがりというわけではないのです。