B子ちゃんの弟の顔にたばこの火傷の跡が
A子さんの夫はヤマモト被告が経営する会社の親会社に勤務していた。A子さんの夫は10年前に仕事中の事故で亡くなったという。
「ご主人を亡くしたばかりの失意のA子さんに近寄ってきたのがヤマモトでした。(死亡した夫について)労災や見舞金などが下りるよう親会社に働きかけ、A子さんを自分の会社の事務員として引き抜いたのです。A子さんにたくさん恩を売ったのちに、ヤマモトはA子さんに、自分の愛人になるよう迫ったんです。A子さんもその頃にはすっかりヤマモトに頼り切るようになっていました。
ヤマモトはA子さんと関係を持つと、A子さんの家庭のことにも口を出し始めました。娘であるB子ちゃんやB子ちゃんの弟の『父親代わりになる』とも言いだしたんです。しかし、『父親代わり』というのは口先だけで、実際にはB子ちゃんやB子ちゃんの弟に対して“しつけ”と称して、炎天下のなか工場で何時間も立たせたり、顔を殴るといった行為を繰り返していました。特にB子ちゃんの弟への仕打ちは酷く、ある時には、顔にタバコの火傷の跡があったこともありました。本人は『ふざけていただけ。避けると思っていた』と弁明していましたが、あれは虐待です。
A子さんは「今思えば洗脳状態だった」と嘆いた
A子さんが、それらの虐待に気づいていたかはわかりませんが、当時はヤマモトに心酔しており、本人も『今思えば洗脳状態だった』と嘆いていました」(別の従業員)
A子さんとB子ちゃん、その弟とヤマモト被告は一緒に沖縄旅行にも出かけるほどの関係性だった。だが、母親のA子さんの見えぬところで、ヤマモト被告はB子ちゃんに対してわいせつ行為を繰り返していたという。
「B子ちゃんはずっと我慢してきました。ヤマモトは未亡人や子供などの立場の弱い女性を支配しようとするのです」(同前)
6月2日の法廷では、B子ちゃんは涙ながらに訴えを続けた。そこで明らかになった事実については次稿(#2)(#3)で報じる。驚くべきことに、ヤマモト被告から性被害を受けたのは、B子ちゃんだけではなかった。当時、17歳でヤマモト被告から性被害を受けたという別の女性・D子さんの告白についても、続けて報じる予定だ(#4)。