立浪和義監督率いる今年のドラゴンズは面白い! 

 そう感じていたゴールデンウィーク明け、ドラゴンズを激震が襲いました。新型コロナウイルスによって、正捕手の木下拓哉選手、大砲候補・石川昂弥選手、期待の新人・鵜飼航丞選手、頼れるベテラン・平田良介選手が登録抹消になってしまったのです。

 首位打者だったベテランの大島洋平選手は死球に見舞われて故障、抜群の守備の京田陽太選手も不調で二軍。シーズン当初、レギュラーを張っていた選手の半数近くが一軍から姿を消してしまいました。

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 折しも5月10日からはドラゴンズが苦手にしている神宮と東京ドームのビジター6連戦。「これはヤバい……」と感じたドラゴンズファンも少なくなかったはずです。

 しかし、6連戦の結果は3勝3敗の五分。惜しい試合もあったので、勝ち越しも夢ではありませんでした。

筆者・辻本達規

キノタクの大きな穴を埋めてくれた男

 チームから主力が抜けてもガタガタッと崩れなかったのは、代わりに入った選手が高いモチベーションで試合に臨み、めぐってきたチャンスをものにしたからです。こういうことって、なかなか去年までは見られませんでした。いつ何時でも戦う姿勢でいなければいけない“立浪イズム”が選手に浸透してきていると感じます。

 難しいショートのポジションも、京田選手の穴を三ツ俣大樹選手が埋めてくれていました。今年はオープン戦ではなかなか名前が挙がりませんでしたが、二軍でしっかり結果を残して、その勢いのまま一軍で活躍しています。つなぎもできるし、長打も出る。守備も堅実で、本当に頼もしいです。

 そして、木下拓哉選手の離脱の穴を埋めて、頑張って投手陣を引っ張ってくれていたのが、石橋康太捕手です。チームの危機を救ってくれたといってもいいのではないでしょうか。

石橋康太

 石川昂弥選手は「ようやく来たぞ!」という時期の離脱だったので本当に残念だったのですが、サードには高橋周平選手がいますし、セカンドには絶好調の阿部寿樹選手がいるから、心配はしていませんでした。ただ、正捕手であるキノタクさんはチームの大黒柱とも言える存在です。投手陣からの信頼は絶大ですし、バッティングでも結果を残しています。

 そんな中、実績のある大野奨太選手、今年は外野にまわっている打撃のいいアリエル・マルティネス選手や郡司裕也選手がいる中で、高卒4年目、21歳の石橋選手は大抜擢されたと言ってもいいと思います。そして、しっかりチャンスを掴んで結果を残しました。ワンバウンドもしっかり止めていて、見ていて安心感があります。キノタクさんの穴を埋める選手がこんなにもすぐに出てくるなんて、正直、驚きました。