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思いきりがいい! 面構えがいい! 頼もしい!

 石橋選手の良い部分は、とにかく打撃も守備もリードも思いきりがいいところです。キノタクさんはどっしりしていてリスクをあまり冒さないタイプのキャッチャーだと思いますが、石橋選手は守備でも攻めの姿勢を崩していないように見えます。

 高橋宏斗投手と組んだ5月14日の巨人戦では、無死満塁の大ピンチで前日決勝ホームランを打った中田翔選手と続く大城選手に対して、恐れずにスプリットを要求してそれぞれ打ち取ってみせました。満塁で3ボールになれば、ストライクを取るためにストレートを要求したくなるはず。若さゆえの大胆さなのか、若くして打者心理を読み取っているのかはわかりませんが、いずれにしても攻めのリードだったと思います。

 同世代の投手はもちろん、大野雄大投手や柳裕也投手をはじめとする年上の投手にも堂々と振る舞っていますよね。わかりやすいジェスチャーで「低めに来い!」とか「腕を振って!」とマウンドの投手に自分の要望を伝えている姿を見ていると、石橋選手の気持ちが見ているこちらにも伝わってきます。

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 捕手というポジションは迷いが出たら務まらないポジションだと思いますが、石橋選手のプレーや表情を見ていると、内心には不安や迷いがあったとしても、そういう部分を絶対に見せません。本当に頼もしいと思います。

 面構えもいいんですよね。キャッチャーマスクの奥の目が生き生きとしていて、いかにも「野球小僧!」という感じ。二軍でこんがり焼けているのもあって、高校球児がそのままプロにやってきたように見えます。社会人の名門トヨタ自動車を経験してきた大人のキャッチャー、キノタクさんとは好対照ですね。今はまっすぐでピュアな感じの石橋くんが打者との駆け引きやいい意味でのズルさを覚えたら、どんなキャッチャーになっていくのか楽しみで仕方ありません。

 そういえば、僕は野球の道具が好きでよく見ているのですが、石橋選手のキャッチャーミットは縦に深くポケットを作っているんですよね。そうするとボールがこぼれにくくなってクロスプレーにも強くなるんです。ミットはすごくキャッチャーの個性が出る部分で、キノタクさんはオーソドックス、ソフトバンクの甲斐選手はミットがすごく浅くて知られています。石橋選手のミットについて、いつか話を聞いてみたいですね。

 石橋選手が一軍で自分らしさを前面に出して、物怖じせずにプレーしているところを見ていると、いつかドラゴンズの正捕手争いに割って入っていくんだろうな、と期待が膨らんでいきます。

 一軍で抜擢されて実力を発揮できたのは、二軍でしっかり準備していたということでしょう。いつでも一軍で出番があるんだぞ、だから準備しておかなければいけないんだ、ということが二軍の選手にも伝わっていたのが嬉しいです。立浪ドラゴンズはこれまでとちょっと違うな、と思わせてくれる大きな部分だとすごく感じます。

 コロナでの選手の離脱はチームとして非常に痛かったのですが、石橋選手をはじめとする若手選手たちが一軍で経験を積むことができたと考えることもできます。試合で悔しい思いもいっぱいしたはずです。だけど、それもすべて勉強なんですよね。厳しい試合が続きますが、これから主力選手が一軍に戻ってきたとき、ドラゴンズがどんなチームになるか、僕は楽しみでなりません!

 

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