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盗塁阻止率トップをマークした背景に「恩師」の存在

 視点を炭谷がもたらす「チームへの貢献度」に移すと、守備の面で目を見張る数字がある。盗塁阻止率だ。近年はコンディションの面でも不安を抱えながらプレーしていたが、オフのトレーニングから「もう一度体を鍛え直そう」とみっちり体をいじめてきた。

 交流戦前まで12球団トップの5割をマークした背景には「恩師」の存在がある。西武時代の11~13年に猛練習を課し、レギュラーを取るための下地を作ってくれたのが、現在は楽天で指導にあたる光山英和バッテリー兼守備戦略コーチだった。

 今年2月のキャンプでは初日にドラフト2位の安田悠馬や堀内ら若手と同じメニューをこなした裏側には光山コーチの親心があった。「ベテランになってきて、練習量も知らない間に減ってくる。そこで『ギン、もう一回やらなあかんぞ』と光山さんに言われたんです。今年も若手に負けないでプレーできているのは光山さんのおかげですよ。年齢という部分を考えた時に、けがをしないように体と相談しながら練習すると練習量が減ってしまいがちになる。そこのところを楽天に来てから光山さんがもう一回鍛え直してくれた」と感謝を口にする。

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「本来は盗塁を企画されないことが一番なんですよ。『あのキャッチャーからは走れない』と思われるのが一番ですけど、阻止率が高いというのはそれだけアウトを取っているわけだからうれしいですよね」。控えめに喜ぶ姿が格好良く映った(お世辞じゃないです)。

 話題を冒頭に戻す。5月24日の阪神戦の試合前のことだ。石井一久監督は18試合の勝敗ノルマを「5割」に設定した上で、セ・リーグとの戦い方を熟知しているベテランに対して期待の言葉を残した。「銀仁朗は選手の長所がスインガータイプなのか、ボールを見極めて打ってくるタイプなのか、このスポットは(ヒットゾーンで)危ないとかを知っている」。投手陣を引っ張っていってくれるリードに指揮官も頼らざるを得ない様子だった。

 交流戦最後のカードでは思い入れのある巨人との対戦が待つ。「巨人ファンの皆さんの前で元気にやっているところも見せたいですし、巨人と交流戦の優勝争いをして最後に決着! なんてことになったらいいですね」と笑みを浮かべた。どんな味わい深いプレーを見せてくれるのか。ファンと一緒に胸を躍らせたい。

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