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一日の終わりに“褒めタイム”を
この“シール手法”によって、社員同士が互いの行動をきちんと見て、時に注意し合うという好循環が生まれている。加えて、褒めるタイミングと、誰が褒めるかが重要。
「“褒めタイム”は一日の終わりのミーティング後と決めています。たとえ日中に注意されたとしても、最後に褒められれば、誰しも気持ちが良いからです。
コロナ前は、女将の私が『たくさんお酒の注文頂けたね。お客様の好みを良く聞き出せたね』と、みんなの前で社員を褒めていましたが、最近は社員同士で褒め合うようにしています。
『お客様のお子さんを上手にあやしていたのが良かった』とか些細なことで充分なんです。同じ立場、同じ目線の人から褒められることって嬉しいですからね」
8割の社員が使っている“仕事名”
接客業ゆえのリスクを回避することも大切だ。
「8割の社員は“仕事名”を使用しています。この情報社会の時代では、個人名だけで、出身地・生年月日までわかり、社員の実家で待ち伏せしていた常連様がいました。そのような行為から社員を守るためでもあります。
もう一つ“仕事名”は社員のやる気スイッチを押すきっかけにもなっています。若い子の中にはプライベートを引きずる子もいて、前日に嫌な事があれば、朝は暗い顔をして出勤してくる。そんな時は『●●(本名)じゃないよ、〇〇(仕事名)でしょ。違う自分を演じなさい。女優になってね』と言います。