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 母も普段まったくマンガを読まず、インターネットにも疎いので、気づきようがないと思いますが、もし気づいたらその時対応を考えようと思っています。

ツカサはいてもいなくてもどうでもいい存在

──マンガを描くことは、継父への苦しみや憎しみを昇華させるのに役立ったと思いますか?

魚田 マンガを描いたからツカサへの憎しみや苦しみが消えた、ということはありません。昔は、本気でツカサを殺してやりたいと思っていたこともありましたが、あんな最低なクズ人間のせいで自分自身が憎しみの塊みたいになってしまうのもつらいので、ずいぶん前にツカサへの憎しみや苦しみは手放しました。逆に、まだそれが残っている状態だったら、描ききれなかったと思います。

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 正直、いまの私にとって、ツカサはいてもいなくてもどうでもいい存在なので、「殺してやりたい」はおろか、「死ねばいい」とすら思わないというのが本音です。本当に死んだらどう思うかはわかりませんけど……。

母の再婚相手を殺したかった』より

──マンガを描いてよかったと思うことはどんなことですか?

魚田 自分の気持ちを整理できたことです。ずっと心の底に引っかかっていたことを吐き出せて、スッキリしました。

死ぬときは母や異父妹に迷惑をかけずに死んでほしい

 あと、同じように性的虐待を受けたことのある読者から、「私も同じ」「励まされた」という共感の声をたくさんいただいて、この本を描いてよかったなと思いました。

『母の再婚相手を殺したかった』より

──先ほど、継父に対しては何の感情もないとおっしゃいましたが、お母さんに対する気持ちの変化はいかがですか。

魚田 今年のお正月に、1年半か2年ぶりに帰省して母に会ったんです。コロナ禍以来はじめて再会した母が、なんだか普通のおばちゃんになっていて、驚きました。あんなに母のことを完璧だと思っていたけど、実はめちゃめちゃダメなヤツだったのかもしれない、とようやく認められるようになった気がします。

 ツカサに対しては、本当に何の感情もないので、言いたいことも何もありません。ひとつ言うとしたら、死ぬときは母や異父妹に迷惑をかけずに死んでほしい、ということでしょうか。介護状態にならず、さっさと寿命をまっとうしていただきたい。それくらいですね。