志村さんが竜ちゃんに「すぐ出てこい!」
「当時から志村さんは上島さんのことを気になる後輩芸人として注目していたようです。もう25年以上前ですよ、志村さんと麻布十番の焼き肉屋さんでお食事をさせていただいている時に、僕が竜ちゃんを知っているという話をしたんです。すると志村さんが竜ちゃんを『電話してすぐ呼べ』って言うんです。
言われた通りに竜ちゃんに電話をかけたのですが、『大先輩すぎて会いたくない』って渋った。すると志村さんが僕の電話を取り上げて、竜ちゃんに『すぐ出てこい!』って言い放ったんです。その一言で夜中にもかかわらず、ものの数十分で竜ちゃんがすっ飛んできて。結局その日は、2軒目に行って朝方まで飲み明かしました」
その日を境に、上島さんと志村さんは仕事でもプライベートでも行動をともにすることが増えた。志村さんのホットスポットでもあった麻布十番では、2人で飲み明かしている姿もたびたび目撃されている。
志村さんと親交を深めてからは川田さんと上島さんは会う頻度が減ったが、関係は続いていた。印象深いのが、13年前に行ったダチョウ倶楽部と出川哲朗が出演する「リアクションの殿堂」のDVD収録での出来事だという。
「控室で記者さんたちを目の前にして竜ちゃんが面白いことをいっぱい言っていたので、『カメラが回っていないとすげー面白いね』って失礼なことを言っちゃったんです。でも、まったく怒る素振りもなかった」
「彼は“リトル志村けん”ですよ」
川田さんは上島さんの優しい人柄を懐かしそうに振り返った。そんな上島さんを川田さんは「“リトル志村けん”ですよ」とも語る。
「僕よりも2つか3つ上ですが、『竜ちゃん、竜ちゃん』って愛称で呼ばせてくれました。同級生くらいのつもりで付き合っていたし、よそよそしく敬語使うこともなかったです。普通の年上だったらムカッとするかもしれないけど、竜ちゃんはそういう壁を作らない人なんです。こういう懐の深さが業界でずっと前線を走り続けてこれた秘訣なのかな。後輩先輩みんなから慕われる存在なんです」
上島さんが自殺したくわしい原因は未だに分かっていない。なぜ上島さんは自ら命を絶たなければならなかったのか。川田さんも肩を落としながら「なんでという気持ちが強いです……」と言葉を詰まらせていた。
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【厚生労働省のサイトで紹介している主な悩み相談窓口】
▼いのちの電話 0570-783-556(午前10時~午後10時)、0120-783-556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前9時)
▼こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)
▼よりそいホットライン 0120-279-338(24時間対応) 岩手、宮城、福島各県からは0120-279-226(24時間対応)
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