DAIGOの成長を見守りたい
番組の見どころはまだある。DAIGOが辻調の先生たちと交換する育児情報。DAIGOから漏れ出る妻・北川景子や娘たちと過ごす家庭での様子。緊張しがちな性格なのかDAIGOとのコミュニケーションがたどたどしい料理コラムニスト・山本ゆりと、調理がたどたどしいDAIGO、その2人の出会いがもたらす軽い“事故”――。
番組の面白い面ばかりを紹介した記事になってしまったが、料理をめぐるよくある悩みの解決を図ろうとする導入や、3つのレシピを提案したのち2つは公式サイトでの説明にゆずる構成など、料理の番組としても視聴者に寄り添った番組づくりが感じられる。調理の工程にもさまざまな工夫が凝らされているのだと思う。
さて、番組は最後、DAIGOが皿洗いをしながらこの日の感想をつぶやくシーンで終わる。初回の放送では、こんなことを口にしていた。
「27年…27か月は続けたいな」
27年とは、前身番組である『上沼恵美子のおしゃべりクッキング』(テレビ朝日系)の放送期間である。『DAIGOも台所』はこの記録にどこまで近づけるのかはわからない。が、月日が経つにつれ、DAIGOの料理の腕はすこしずつ成長していくのだろう。
彼はこれから揚げ物に、魚の下処理に、ぶんぶんチョッパーを使わない玉ねぎのみじん切りに、はたしてどう挑むのか。ミッションをいかにクリアしていくのか。少しずつ成長するDAIGOの姿を見守りたい気持ちに、少なくとも私はさせられている。
一方で、あまり成長しないでほしいという思いを抱いてしまうのもたしかだ。27年後、70歳をすぎて「娘のお弁当を1人でつくるのが目標です」と言い続けているDAIGO――。ちょっと見てみたくもあるし、DAIGOなら成立しそうでもある。