保育園の送り迎えや、小学校の保護者参加行事などで、年を召した父親が「おじいさまですか?」と聞かれたという話は、最近では「あるある」だ。晩婚化が進み、初産の年齢も高くなると、お父さんも高齢化していくのは当然だろう。
厚生労働省の調査によると、令和元年の平均初婚年齢は夫31.2歳、妻29.4歳。第1子出生時の母の平均年齢は30.7歳で、この20年ほどで3歳程度上がっているという。
結婚生活に入ってから第1子出生までの期間も長期化傾向にあり、さらに夫が10歳以上年上の年の差婚が流行るなど、さまざまな要因で40代ではじめてパパとなる男性が増えている。そして子どもの成長と共に自分のカラダは衰えていき、子どもが小学生になる頃には、すでに50代後半となり「こんなはずじゃなかった」とタメ息をつく……。
そんな「初老パパ」たちに話を聞いてみた。
7歳年下の女性とマッチング、結婚2年目で子宝に恵まれて
営業職で働く大下翔太さん(仮名)は現在48歳。2年前に長男が生まれ、いま子育てに奮闘中だ。
「40代になって急に将来に対して不安を感じるようになり、婚活を開始しました。子どももずっと欲しかったので、パートナーの条件に『子どもが欲しい人』を挙げていましたが、結婚相談所に登録してもなかなかマッチングしなかったですね。
でも諦めずに婚活に励んだところ、奇跡的に7歳年下の女性と巡りあうことができ、44歳で結婚。妻も早めの出産を望んでいたため、結婚2年目で男の子を授かりました」(大下さん)
夫婦お互いの親や親戚などからも大いに喜ばれ、それなりのプレッシャーも感じながら子育てに臨んだという。
「幸い、おとなしくて育てやすい子どもだったため、生まれてしばらくは特に大変だとは思いませんでした。ただ、2年経って『イヤイヤ期』に入ると、子どもに合わせるのが体力的にキツいなと感じるようになりました。
育児というのは最初が一番大変で、年を経るごとに楽になると思い込んでいましたが、このままだとこっちの体力が持たないと不安を感じています」(大下さん)