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「LINEのユーザーデータ」も中国にダダ漏れ

 それが、2021年3月に「朝日新聞」の報道で発覚した、無料通信アプリLINEのサーバー問題である。通信アプリとして国内最大の8600万人のユーザーをもつLINEのユーザーデータが、中国の関連企業で閲覧可能になっていたと判明し、大きな騒ぎになった。実際に中国人4人がLINEの技術開発に関わる際にデータにアクセスできていたと、LINE側は認めている。

 もともと韓国ネイバー社の下に作られたLINEだが、本国の韓国よりも日本で人気のアプリになった。

写真はイメージです ©iStock.com

 LINEの運営会社幹部は筆者にこう話す。

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「LINEの開発部門を韓国側が担ってきた。日本の運営会社からは開発をコントロールしづらい環境にありました。その韓国側が中国法人に下請けさせ、そこで働く中国人たちが日本人のデータにアクセスできるようになっていたのが実態です」

 言うまでもなく、中国の国家情報法によれば、こうした中国法人の扱うデータも政府が手に入れることが可能になる。

 ただこの幹部はこれまで明らかになっていなかった事実をこう暴露する。

「LINEの開発部門はAIの開発も進めており、できる限りのデータを蓄積させたがっていたのです。そのために、LINEを使う大勢の日本人の写真や動画、ファイルといったデータを韓国に置いているサーバーに保存していました。今回、批判を浴びたことから、現在はすべて日本で保存するように変わりました。ですがそれよりも問題なのは、日本人のデータを保存していた韓国側のサーバーなどの機器が、中国のファーウェイ製だったことです」

 ここまで見てきたように、ファーウェイへの疑惑を顧みると、この事実の重みがわかるだろう。我々、個人がファーウェイ製品を使わないと決めていても、世界がインターネットでつながっている現在、どこで情報が把握されているのかわからないのだ。