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 千秋楽に両者勝てば優勝決定戦、両者負けると最大4人による決定戦になります。

 隆の勝は4敗の佐田の海と、照ノ富士は御嶽海との対決です。

 私は両者勝利し、優勝決定戦になるとみていましたが佐田の海が隆の勝に勝ちました。隆の勝らしからぬフワッとした立ち合いで、佐田の海に両差しをゆるし、土俵際での逆転の掬い投げで敗れてしまいました。

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照ノ富士と御嶽海の“差”とは?

 照ノ富士は御嶽海に何もさせず圧倒して7度目の優勝を手にしました。

 ここで経験の差が出たのかな、と思いました。

 常に優勝を期待される地位で、その日の一番に集中する難しさを経験してきている照ノ富士が優勝を意識せず15日間取りきった結果が、この優勝に繋がったのかなと思います。

御嶽海(右)を寄り切りで下した照ノ富士 ©時事通信社

 早々に3敗しましたが、気持ちを切らさず目の前の一番に集中し続けた照ノ富士はお見事でした。おめでとう!!

「若隆景対阿炎」の取組に感動

 このまま今回の原稿を終わろうかと思いましたが、千秋楽の若隆景対阿炎の取組に触れないままでは終われないでしょう。先場所の優勝決定戦を思わせる攻防、両者の動きの良さ、勝負に対する執念に感動しました。

 阿炎の突っ張りに回り込む若隆景、目まぐるしく展開が変わる攻防のなか、組み止められて苦しい阿炎。慌てない若隆景に、最後まで何とかしようとする阿炎。押し出して若隆景の勝ちでした。相撲を観ていて自分自身の体に力が入っているのがわかりました。良い相撲をみせてくれました。ありがとう!!

 この2人は間違いなくこれからの相撲界を盛り上げてくれる力士になってくれると思います。けっぱれ!!

 そろそろ筆をおきたいと思います。

 照ノ富士の優勝に加え、同じ伊勢ヶ濱部屋の錦富士が十両優勝でさらに嬉しいです。私の断髪式が5月29日に執り行われます。これ以上ない形で迎えられることになりました。まもなく髷とはお別れになりますが、これまで安美錦を応援していただいた沢山の方への感謝と、これからの親方としての決意を胸に断髪式を迎えたいと思います。

 今場所もありがとうございました。

 へば!(津軽弁でさようなら)