さあ、今場所も私、安治川が振り返っていきたいと思います。

 今場所の注目はもちろん先場所優勝の関脇若隆景です。今場所は大関への足固めとして、昇進の目安である3場所合計33勝へ勝ち星を積み重ねられるのか。そして、先場所途中休場の横綱照ノ富士の復活はなるのか。

 さらには最近成績の振るわない大関陣の奮起、琴ノ若を筆頭とした新三役を狙う若手の台頭に注目していました。

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場所前の合同稽古で目立っていたのは……

 場所前の合同稽古では、高安が精力的に稽古していたと報道されていました。

 高安も今場所こそは優勝するぞという気迫がひしひしと伝わってきました。そして今回の合同稽古に、横綱になって初めて照ノ富士が参加しました。

 最終日に参加し、久しぶりに他の部屋の関取と稽古し充実した表情をしていました。

元安美錦(安治川親方) ©文藝春秋

 他に合同稽古で目立っていたのは、鉄人玉鷲や小結で勝ち越した豊昇龍。精力的に稽古をしていましたね。

夏場所は“個性豊かな装い”も楽しみ

 5月場所は両国国技館で開催されますが、力士の装いがガラッと変わります。

 若い衆の装いが、着物から浴衣にかわります。部屋名や四股名が入った色鮮やかな浴衣を着た力士が場所入りしてきます。関取衆も絽や紗の着物を身に纏い場所入りします。また、幕内力士は自分の四股名が入った染め抜きの着物で場所入りします。個性豊かな装いが見られるのも夏場所の楽しみではないでしょうか。

 相撲界の伝統として、浴衣地の反物を作り一門の関係者や後援者に配ります。反物を作れるのは、幕内力士のみとされています。

 私は新入幕が7月場所で、自分でデザインを考え、作った記憶があります。確か故郷青森の日本海の荒波をイメージした青か紺の浴衣地だったと思います。

 初めは地味でしたが年々明るい色になっていきました。ピンクに藤色、緑、黄色、黒など色々作りましたね。自分の四股名が入った浴衣を他の力士が着てくれているのを見ると、嬉しいものですよ。

 それでは参りましょう。

 いざ初日!!