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投げること以外すべて右利き 広島・マクブルームが胸に秘める“闘う気持ち”

文春野球コラム ペナントレース2022

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打席での心構えは「バタバタしないこと」

 ゲームに臨むまでの準備に加え、試合での対応力もキラリと光る。本人も入団会見で「対応力が強み」と語ったように、マクブルーム選手を語る上で欠かせないワードの1つが〈対応力〉だ。

 本人に打席での心構えを聞いた。「非常にシンプルだが、とにかくバッターボックスではバタバタしないこと」。確かにマクブルーム選手が打席の中で慌てた様子は記憶にない。マクブルーム選手は続ける。「投手との1対1の対決の中で、自分がその打席で何ができるか。どうすればチームの勝ちに貢献できる打席内容になるかを考えながら毎打席調整している」。

 マクブルーム選手の打席を見ていると、各打席で足の上げ方やスタンスに変化がある。微妙な違いだが、打席ごとに違うこともあれば、1打席の中で1球ごとに変化することもある。投手の傾向を見て意図的に変化させているのかと思いきや、意外な答えが返ってきた。「毎打席変えていると思うが、実はそこまで自分の中で『こうしよう、ああしよう』と考えていない。打席の中のフィーリングで一応そのようになっているのかな。ピッチャーとの対戦なので、自分の感覚を大事にしている」。自然とアジャストできるからこそ、初対戦の投手が多くてもきっちり結果を残すことができているのだろう。

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 私の質問にも時折笑顔を見せながら答えてくれたマクブルーム選手。普段はどのような人柄なのか。佐々木通訳は、「明るくて親しみやすい性格」と分析する。そんなマクブルーム選手と佐々木通訳は、5月20日の中日戦で初めてコンビを組みお立ち台に上がった。この試合では、マクブルーム選手が自身初となる満塁ホームランを放ち、佐々木通訳は、地元マツダスタジアムで初めてヒーローインタビューの通訳を担当した。佐々木通訳は振り返る。「あの時は緊張しすぎて、菊池涼介選手からは『町内放送やないかい!』と突っ込まれました(笑)。マクブルーム選手も終わった後に声をかけてくれたのですが、フワフワしていたので何を言われたか覚えてないです(笑)」。明るいキャラクターのマクブルーム選手が、どのような言葉をかけたのか気になる(笑)。次回、2人がコンビを組んだら、インタビューが終わった後の会話も場内に流してほしい。

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