鳴り物入りで始まった木村拓哉主演のドラマ『未来への10カウント』(テレビ朝日系、木曜夜9時)の周辺が騒がしい。
第3話、第4話の世帯視聴率が「一桁台に突入」と報じられると騒ぎに。予定より1話短く9話で打ち切りか、という記事が出たかと思えば、すぐに削除されるというドタバタ。
情報は錯綜しました。結局、最終回の繰り上げ報道について「間違っています」とテレビ朝日会長が否定。とにかくザワついています。これも大物「キムタク」ゆえでしょうか。
世帯視聴率だけ見ればたしかに、第2話10.5%から第3話9.9%、第4話9.6%と一桁台に。キムタク主演ドラマとしては初の試練でしたが、しかしその後また二桁台へと回復しています。
そもそも、春のドラマが始まる当初。「キムタク主演のボクシング青春ドラマ」と聞いて、「ああ、またヒーローものね」と引いてしまった人も実は多かったのではないでしょうか?
何を隠そう私自身もそうした偏見と喰わず嫌いから、いったんは録画したまま放置していた一人です。
しかし、「視聴率一桁台の屈辱も有り得るかもしれません」という芸能記者のコメントを目にした頃から、急に内容が気になり始めた。きちんと中身を見たくなった。そう、これも「キムタク効果」と言えるでしょう。
低視聴率ながら伝わった「木村拓哉の役者魂」
ドラマを見てみると……実に演技が細かい。
目の動き、間合いの取り方、小さな動作。スリッパを引きずってみたり、ちょっと舌を出したり、人ってたしかにこんなしぐさをするよね、こんな風に話すよね、と独特の微細な表現がリアルで丁寧。
やはり木村拓哉は演技巧者だと、素直に唸らされました。いやそれ以上に、ある意気込みが伝わってきたのです。