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「二枚目を捨てた」大森南朋・竹野内豊

 2つ目は、徹底的にダサイ人物に成りきるという引き算。

 たとえば大森南朋さんが大喝采を受けた『私の家政夫ナギサさん』(TBS系2020年)のようにエプロン姿の家政夫、完全オバサン化してイケメンを引き算してしまう。そして別の存在に脱皮してしまう手法です。

 モデル出身の竹野内豊さんも『この声をきみに』(NHK総合、2017年)で成功しました。ファッションはダサく偏屈で孤独な准教授に成りきり、二枚目要素をすっかり捨てた時に、むしろ竹野内さんの持つ人間味や声の響きの方がぐんと立ち上がってきた。

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 そう、人間性や内面性へと視聴者の視点を完全にシフトさせる方法です。ただし、『未来への10カウント』の桐沢のように、途中で二枚目やヒーロー像が中途半端に蘇ってきてしまったら効力は薄まってしまいます。

 3つ目は、「キムタク」の固定イメージやこびりついた偏見が限り無く引き算されたゼロに近い環境で、一人の役者として勝負すること。例えば海外作品もチャレンジの一つかもしれません。

 奇しくも国際ドラマ『THE SWARM』(2022年世界同時放送・配信予定、日本はHulu配信予定)が撮了しているとか。これから海外ドラマの中で新たな役者・木村拓哉が出現するのかどうか、興味は膨らみます。

木村拓哉さんのinstagramより(写真は他にもあります)

 私としては日本のジョージ・クルーニーを目指して、大人の色気と円熟味、知的で味わいある50代にぜひ突入していって欲しいと願っています。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。次のページでぜひご覧ください。