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神戸新聞が選んだ2017年の重大ニュース第1位は「姫路の“劣悪”こども園、全国初の認定取り消しへ」

神戸新聞が選んだ2017年の重大ニュース第1位は「姫路の“劣悪”こども園、全国初の認定取り消しへ」

2017/12/28
©iStock.com

 2017年、日本の各地方ではどんなニュースが報じられたのか。文春オンラインは、地域に密着する報道機関である地元紙にアンケート調査を実施しました。

 それぞれの都道府県で大きく報じられたニュース第1位から3位まで、そして2017年もっとも“○○○”(笑った、泣いた、驚いた……など)ニュース、いまから注目している2018年のニュースをご紹介いただきました。

 神戸新聞が選んだ、兵庫県のニュースは……。

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◆ ◆ ◆

2017年重大ニュース 第1位

「姫路の“劣悪”こども園、全国初の認定取り消しへ」(3月19日)

 定員を大幅に超える園児を自治体に隠蔽(いんぺい)して受け入れ、おかずがスプーン1杯などの劣悪な環境下での保育を続けていたとして、兵庫県と姫路市は18日までに、認定こども園法などに基づき、同市の私立認定こども園「わんずまざー保育園」(小幡育子園長)の認定を3月中にも取り消す方針を固めた。1人分の給食の量を減らすなどして経費を削減していたとみられる。内閣府によると、2015年の子ども・子育て支援新制度の導入に伴い、こども園の普及が進んで以降、認定の取り消しは全国初という。

 園児40人余りで発注された給食を約70人で分け、おかずがスプーン1杯だけの子も……。兵庫県と姫路市の特別監査で、異常な保育実態や衝撃的な画像がおおやけになった「わんずまざー保育園」の記事を特集。

https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/himeji_kodomoen/201703/0010026678.shtml
https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/himeji_kodomoen/(特集記事)

2017年重大ニュース 第2位

「神戸市議、政活費で今井絵理子氏“応援” 自民市議団返還へ」(7月26日)

 神戸市会自民党市議団の橋本健市議(当時)が、今井絵理子参院議員との対談を掲載した市政報告を政務活動費(政活費)で制作し、昨夏の参院選公示前日に配布していたことが明らかになった。市議団は「税金で選挙応援をしたとの誤解を招く」として、2016年度政活費収支報告書を修正するとともに、印刷費や郵送代など約30万円の返還を申し出た。27日発売の週刊誌で、今井議員と橋本市議の不倫疑惑が報じられることが分かり、事務局が政活費の支出を再確認する中で判明した。

https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201707/0010407327.shtml

2017年重大ニュース 第3位

「神戸で発砲事件、組員死亡 抗争か」(9月12日)

 12日午前10時ごろ、神戸市長田区五番町3の路上で、指定暴力団神戸山口組から4月に離脱した「任侠(にんきょう)山口組」の組員とみられる40代男性が拳銃のようなもので頭などを撃たれ、約1時間後に死亡した。兵庫県警は神戸山口組との対立抗争事件とみて捜査。発砲した男は拳銃を持ったまま現場から逃走し、県警は殺人容疑で行方を追っている。県警によると、2015年8月に指定暴力団山口組が分裂して以降、県内で死傷者が出た発砲事件は初めて。撃ったのは神戸山口組の組員とみられる40~50代の男という。

https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/yamaguchigumi/201709/0010549546.shtml
山口組の分裂に関連する記事を特集。
https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/yamaguchigumi/

こども園の認定が取り消された「わんずまざー保育園」 ©時事通信社

2017年もっとも“驚愕の”ニュース

「不便さに生を実感 車なし山上暮らしの一家 宍粟」(4月15日)

 兵庫県宍粟市内で耳を疑う話を聞いた。「あの山の上に、今も暮らしている家族がいるんだよ」。車では登れない長水山(585メートル)の山頂に95歳のおばあさんと息子夫婦の家があるという。徒歩でしか行けない山村集落は、高度成長期まで各地にあったが、現代でそんな場所があるとは……。山上の暮らしぶりを知りたくて一家を訪ねた。

https://www.kobe-np.co.jp/news/backnumber/201704/0010816997.shtml

2018年注目のニュース

(1)「神戸製鋼」 

 10月にデータ改ざんが発覚した「神戸製鋼」。名門企業の今後が注目される。安全性の確認とともに焦点は、罰則付きの「召喚状」を神戸製鋼の米国子会社に送付した米司法省への対応。資料の要求、提出に2年程度かかる可能性がある。その結果、悪質と判断されれば本格的な捜査に発展する。米国では、司法省の調査が終わっても、集団民事訴訟を起こされるケースが多い。「やり手の弁護士が成功報酬を目当てに原告を集め、高額の賠償金を狙ってくる」という懸念は消えない。

記事まとめページ https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/sinko/

(2)「iPS創薬」 

 筋肉の中に骨ができる希少難病「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」と闘う兵庫県明石市の男性に対し、京都大病院は治験に着手したと明らかにした。男性は2010年、自らの体細胞を京大iPS細胞研究所(所長・山中伸弥教授)に提供。病気のメカニズム解明や治療薬の開発が進められてきた。iPS細胞を使った創薬の世界初の治験になる。

関連記事/iPS創薬の治験開始 骨の難病、明石の山本さんに世界初
https://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201710/0010617812.shtml

神戸新聞が選んだ2017年の重大ニュース第1位は「姫路の“劣悪”こども園、全国初の認定取り消しへ」

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