全身全霊で作品に挑むからこそ言える言葉
6月5日に放送された『日曜日の初耳学』にゲスト出演した綾瀬。自らの今までの歩みと出演作を振り返る中で、「もうこれで女優を辞めていい」と思ったことが2度あったという。
それが『世界の中心で、愛をさけぶ』と『八重の桜』。どちらも俳優・綾瀬はるかを世の中の多くの人に知らしめた、まさに彼女にとって大きな節目の作品である。
『世界の中心で、愛をさけぶ』では、白血病患者という役に合わせて7kg減量し頭髪をすべて剃って芝居に臨んだ。また『八重の桜』では、大河ドラマの主役として長期間に渡るたくさんのスタッフとの仕事を通じ「作品を作るってこんなに面白いことなんだ」と改めて感じたという。
「辞めてもいい」は一見後ろ向きに聞こえるが、一つの作品に対し全身全霊で取り組むからこそ言える、むしろ前向きな言葉だと私は思う。もっとも、こちらが勝手にイメージを描いているだけで、彼女も一人の人間として私たちと同じ、いや、それ以上に抱えきれないほどの感情と向き合い、日々を生きていることは容易に想像出来る。
彼女はそんな自身の歩みについて「縁に恵まれて、次々に試練をもらう」と表現していた。人と人のつながりを何よりも大事にする生き方と、苦労や困難さを感じさせないナチュラルな微笑みに、私たちは強く惹かれるのだ。
無限の可能性を秘めた純白のキャンバス
では、来るべき40代、彼女はいったいどんな演技を見せてくれるのか。
ここ数年の流れを見る限り、年齢相応の落ち着きを維持しながらもさまざまな役に積極的にチャレンジし、俳優としての幅を広げようとしている印象がある。彼女の意向なのかマネジメントの方向性なのかは分からないが、「俳優・綾瀬はるか」のバリューは年々高まるばかりだ。それが男女問わず高い好感度にも表れている。
ユニクロをはじめ数多くのCMにも起用されている清潔感あふれるイメージをキープしつつ、ある日突然、意表をついたダーティーな役柄に挑戦するかもしれないし、そんなこちらの安易な想像の遥か上を行くサプライズがあるかもしれない。いずれにせよ、常に動向が気になる俳優であることは間違いない。
無限の可能性を秘めた純白のような存在。綾瀬はるかはこれから先も真っ白なキャンバスに夢を自在に描いていくことだろう。