たしかに河瀬直美総監督と東京五輪の公式記録映画には、これまでさまざまな報道があった。週刊文春では、河瀬氏が映画『朝が来る』撮影中にスタッフの腹を蹴り上げるなどの暴力行為をはたらいたと報道されていた。
昨年末に放送されたNHKの番組「河瀬直美が見つめた東京五輪」では、五輪反対デモの参加者が金銭をもらって動員されたとする偽りの内容の字幕が流された問題があった。まだ真相はあやふやなまま。5月23日の完成披露試写会では「会場外には反対派が横断幕」(日刊スポーツ)とも報道されていた。
いろいろ事情は抱えているとはいえ、五輪の「公式」記録映画を任せられたのである。すべて引き受ける覚悟はなかったのだろうか。一般客の前に出てこないのはあり得ない。もっと言えば河瀬氏が「誰」のほうを向いているのかわかってしまうではないか。
私が感じた、もう一つの「異変」
さて、この映画に感じたもう一つの「異変」。それは「驚くほど客が入っていない!」こと。
先ほど初日舞台挨拶のチケット争奪戦は激しいという経験を書きましたが今回はびっくり。公開前日の時点で東京の映画館の販売状況を見たら、各回「数人」程度なのである。えええええ!
これは初日当日も同じだった。でも「客が入っていない」と簡単に言ってしまうのはどうかと思ったのでツイッターで各地の情報を求めたら、寄せられる情報はどこも同じような状況。ひどいのは「0人」という劇場もあった。劇的にチケットが売れていないのである。無観客開催とは言わないが、五輪映画も「バブル方式」なんでしょうか。
私は初日6月3日(金)のTOHOシネマズ渋谷「14時40分」の回を観たのですが、この回の客は「18人」だった。各地の情報と比べるとかなり健闘していたようにも思える。
では、どんな人が観ているのか? 私が観た回だけでは「客層」はわからない。そのあと河瀬氏のツイッターを見たらヒントのようなものがあった(というかツイッターは熱心にやってるんかい)。