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50代半ばのトム・クルーズの強靭な肉体
映画の魅力を支えるのは細部に至る圧倒的なリアリティだ。出演者は全員、何カ月も前からGに耐える訓練を受け、実際に飛行する戦闘機のコックピットで演技した。
「REX」こと元空自Fー15パイロットの船場太氏(52)が語る。
「映画で主に使用されているのは、マクドネル・ダグラス製のF/A-18という機体です。Fはファイター(戦闘機)を表し、Aはアタッカー(攻撃機)を表す。愛称はホーネット。米軍においては湾岸戦争やイラク戦争などで活躍してきました」
こうした戦闘機、1機を1回飛ばすのに数百万円はかかるという。
前出の前川氏が補足する。
「私も戦闘機やパイロットが登場するドラマの監修をしたことがありますが、撮影のタイミングであれだけの実機を動かすためには米海軍の全面協力が欠かせません。米海軍がバックアップした映画を世界に発信することは、結果的にアメリカの国力をアピールすることにつながりますし、戦争の抑止力になる、という見方もできます。国を守るんだという愛国心とともに、自信に満ち溢れたアメリカの凄さが伝わってきました」(同前)
「Tiger」こと前出の戸田氏が語る。
「実機に乗ると体重の7~8倍の重力がかかります。撮影は約4年前だそうですから、トム・クルーズは当時すでに50代半ば。空自ならとっくに戦闘機乗りを離れ、司令官となっている年齢です。相当過酷な訓練を重ねたはずで、その強靭な肉体と精神には感服します」