【重大ニュース2】やってもらわないといけない投手の成長曲線
藤浪は一体、どこに向かうのか。藤浪の登板翌日は、編集局への読者の電話が多い。「このまま1軍で投げさせてはいけない」「誰か、コントロールを直すコーチはいないのか」「2軍に落とすより、1軍で投げさせた方がいい」。意見はまちまち。ただ、誰もが、藤浪の将来を真剣に考えてのことであるのは、間違いない。
4月4日のヤクルト戦(京セラドーム)では、5回表に、畠山の頭部付近へ死球を与えた。両軍入り乱れての乱闘となり、矢野コーチが退場処分となったが、その発端は、藤浪の荒れ球。この試合では5回2失点ながら、9四死球。制球の利かない投球に、敵将・真中監督は言葉を選びながらも「あまりにも危ない球が多い」と指摘したほどだ。この試合に代表されるように、今年の藤浪は年間を通じて、不安定な状態が解消されることはなく、夏場以降は長らくの2軍生活も味わった。
「やってもらわないといけない投手」。金本監督だけでなく、球団関係者、ファンの思いは皆同じ。オフになって球団関係者と顔を合わせると、必ず出るのは藤浪の話題だ。
大阪桐蔭時代に春夏連覇し、2012年ドラフトで、4球団競合の中から当時の和田監督が見事に引き当て、阪神に入団した。ここ1、2年は足踏みが続いている。来季は勝負の年。藤浪の成長曲線が今後、どうなるのか。「2017年の重大ニュース」は、「2018年の最注目ポイント」と言ってもいい。
【2018年注目ニュース】誰が二遊間を守るのか
メジャー71発、韓国で2年連続3割、30本、100打点をクリアしている新外国人・ロサリオが加入した。4番候補の補強で、打線強化のメドは立ったが、チームの戦いを左右するのは、二遊間問題だ。今季、二塁は上本、遊撃は北條でスタートしたが、北條は結果を出せず、代わりに出たのが新人の糸原。だが、その糸原もケガで離脱し、最終的には守備の安定感で群を抜く大和が守ることに。ただ、オフにはその大和がFAでDeNAへ移籍した。
来年の開幕戦で、誰が二遊間を守っているのか、現時点ではまだ見えていない。北條、糸原、植田、上本、大山に、秋季キャンプにフル参加した西岡といったところが候補か。守備力とスピードのある植田が今オフに打力で成長を遂げれば、遊撃レギュラーの面白い存在になるが、なにぶん未知の部分が大きい。大山が二塁に入ることができれば、中谷、高山らを含めた全体の起用法の幅は広がる。
「チームづくりはまずセンターラインから」「ほかの守備位置と違って、二遊間はそう簡単にできるものではない」というOB諸氏からの声も耳に届くだけに、不安は尽きないが、それでも、戦力そのものがなく、こんな議論さえできなかった時代のことを思うと、楽しいオフと言えなくもない。
2018年、甲子園の年間指定席の売り上げは好調と聞く。