全国の体力自慢が集まり己の限界に挑む中で、毎年多くの人間ドラマが生まれているTBSの人気スポーツバラエティ『SASUKE』。1997年の放送開始以来、人気を博す同番組は次回大会で40回目の開催となる。

 このSASUKEにおいて、“サスケくん”の愛称で親しまれている森本裕介さん。7歳でSASUKEと出会い、15歳のとき当時最年少でSASUKEに初出場した彼は、その8年後には番組史上4人目の完全制覇を達成。さらにその4年後には、番組史上2人目となる2度目の完全制覇も果たし、名実ともに現役最強プレイヤーとなった。

 そんな森本さんに、2度の完全制覇を支えた家族とのエピソードや、3度目の完全制覇への想いについて聞いた。

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森本裕介さん ©鈴木七絵/文藝春秋

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出場者に自作セットを作らせるほどのSASUKEの魅力

――中高のときは自作のSASUKEセットで練習していたと仰っていましたが、大学時代はどこで練習していたんですか?

森本 大学時代にも、新しく自作のSASUKEセットを作ってました。今思うとめちゃくちゃですよ。ノートに手書きでイメージを描いて、柱が何本必要かやどんな材料を使うか、揺れが起きない組み方などを考えて、あとはその通りに作っていくだけ。でも、理想通りに一発で作れることはまずないので、現場でおかしいところが出てきたら、その都度微修正して使っていくんです。

当時の自作セットの写真。 森本さん提供

――でも1人で組み立ててるのはすごいですね……。森本さん以外にも使うことはあったんですか?

森本 小学校からの友達が2人、「SASUKEに出たい」って言ってたまに練習に来てましたね。そのうち1人はホンマに出ましたよ。しかも初出場で1st STAGEをクリアしてました(笑)。

――すごいですね(笑)。SASUKE出場者の方は、自作セットなどオリジナリティあふれる練習方法でいつもおもしろいなと思うのですが、一方で参加者たちにそこまでさせるSASUKEというテレビ番組の魔力もすごいですよね。

森本 確かに、僕らからするとスタンダードになってますけど、ここまでやるのって普通はやばいですよね。最近では、芸能人の方でも本格的な自作セットを作ってたり、僕でもちょっと引くくらいの意気込みで挑んでたりするので(笑)。

 でも、そうまでしてでも挑みたい魅力がSASUKEにはあって。難しいエリアやステージをクリアしたときの喜びや達成感、特に前回クリアできなかったエリアをクリアできたときは、本当に嬉しいんです。