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初出場から15年。肉体の変化と闘いながら3度目を目指す

――今、ご年齢は30歳ですか。肉体の変化は感じますか?

森本 29歳から30歳になるこの1年間は肉体の衰えを一気に感じましたね。まず、ケガがすごい増えたんです。膝と足首と肩、じん帯や半月板、腰とかを同時期にやっちゃって、ボロボロやったんですよ。しかも、今までより練習をハードにしたわけではなかったので、これは年やなって。

©鈴木七絵/文藝春秋

 体の回復も遅くなりました。20代前半までは寝たら次の日には元気になってたのに、今はもう次の日は全然ダメですし、ひどいときは1日休んでも疲労が残ってる。

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――森本さんほど鍛えている方でも30歳から体力がガツンと落ちるのかと驚いています。

森本 逆に今まで極限レベルで突き詰めてきたからこそ、感じやすいんやと思います。SASUKEの先輩方には「俺は30くらいからSASUKE始めたから、森本くんはこれからや」と言ってくれる人が多いんですけど、僕はスタート時期が15歳なので状況が違うんですよ。若い頃から、もう伸びしろがないくらい体を突き詰めてきたので、そこからは衰えていくだけなんです。今はその闘いの真っ最中ですね。

 まだ3度目の完全制覇をやり残しているので、次回こそはと思っています。

――3度目となると、前人未踏となりますね。

森本 はい、そこのモチベーションは高く持ってます。SASUKEはFINAL STAGEがダントツで難しいので、確実にクリアできるレベルに練習で達しないと本番のあの一発勝負では決められません。だから、今はFINAL STAGEを重点的に練習しています。

 

 

――さすがにFINAL STAGEともなると、練習通りに行かないことが増えそうです。

森本 そうですね。1st STAGEから順番にクリアしていって、疲労がすごく溜まってる状態ですからね。それに、FINAL STAGEって上に上にエリアが連なってるんですけど、あの環境は練習では絶対に作れないんです。どうしても、低いセットを何往復するような練習になってしまうので、そうなると感覚が全く違うんですよね。そこの感覚の違いを本番で即座に吸収できるかどうかの勝負でもあります。

――あ、なるほど。FINAL STAGEだけは同じ規格の練習セットを作れないんですね。

森本 そうなんです。あの高さの塔を建てるのは無理なんで(笑)。そういう難しさもあるんですよね。